|
カテゴリ:制作現場
録画してたこんな番組を見た。放送したのは、NHK-BS2。 ポール・サイモンやデヴィッド・ギルモアなどの大ベテラン(ドクター・ジョンからアイアン・メイデンまで出た!)から、最近の若い衆まで、たくさんのアーティストが出て、楽しませてくれた。 でも、妙だったのが、画面。上にあげたオープニングの映像じゃわからないけど、これならよくわかる。 画面の左右が切れている。「ポール・サイモン」は「ール・サイモン」(長音記号は長さ半分)になってるし、右側縦に出ている文字スーパーは丸々一行が切れてる。サイモンさんがなんて言ってるか、わからんぞ。 この状態はポール・サイモンの演奏中もずっと続き、次なるアーティスト、ピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアのときも同じ。 デヴィッド・ギルモアさんも名前の一文字半が切れて奇妙な名前になってるし、演奏している曲 『 ON AN ISLAND 』 も画面に入りきれていない。 あ~らら、これって放送事故にはならんのかな? 横長16:9のハイビジョン・サイズの番組は、現在の四角4:3テレビの画面サイズに合わせて自動的に両端を切るか、それとも横長サイズを4:3の画面にムリヤリはめ込むか(上と下に黒いラインが出る)、大ざっぱに言ってふたつの方法で放送される。 横長ハイビジョン・サイズでその美しさが売り物の「地デジ」は既に始まっているので、どのテレビ局もハイビジョンサイズで番組を作る。しかし、現在、まだまだ大多数を占めるのは4:3のテレビ画面。撮影するカメラマンは左右が切れることを頭に入れながら撮影し、編集室ではオンエア時に切れないように、その位置に注意しながら文字を入れていく。 そんな風に作った番組を横長ハイビジョン・テレビで見ると、顔の作りが真ん中に集まった人を見るような感じになる。「どうして文字が内側に寄ってるの?」ってな感じ。 作ってる方も、とても気になる。が、今は過渡期。仕方ないというのが番組を送る側の判断のようだ。 が、しか~し。 NHKのこの番組は、4:3の画面が大多数を占める現状を知っていながら、無視してハイビジョン・サイズでオンエアしたのね。 ちょっと、ひどくない? ぼくがこの手の放送を見たのはこれが初めてじゃない。もう3回は見ている。そして、そのすべてがNHKのBSというのはなぜなのかな? 『明日に架ける橋』も同様なオソマツ放送じゃなかったっけ? その番組を見た友人は「視聴者をナメてる!」と怒っていたが、そりゃそうだろう。“ハイビジョンありき”っていう高慢な思いが知らず知らずのうちに出たのだから。現状を気遣っていたら、こんなミスなどあり得ない。 あり得ない・・・・そう思いつつ、でも見ていたら、ドクター・ジョンのパートでもっとあり得ないことが起こった。 始まりはポール・サイモンたちと同様、左上の名前はやっぱり切れてるし、右縦に出ている文字スーパーも一行分が切れている。 ところが! 次の瞬間、かように変身。 右と左がせばまって、名前と文字スーパーがきちんと顔を出したのだ。以降、4:3画面に映るハイビジョン・サイズのまま、無事に番組は終了した。 びっくりしたぁ。 テレビ画面は1秒間に30コマの画像で出来ているから、「両端が切れてるハイビジョン・サイズ」→「4:3画面に収まったハイビジョン・サイズ」へと1/30秒で変身したわけだ。 これって、どんな放送の仕方をしてるんだろう? 編集でこんな奇妙なつなぎ方をするハズがない。オンエア用のテープにコピーするとき、その途中で気づいて切り替えたんだろうか? そんなことってできるのかなぁ。いやいや、できるとしても間違ってることに気づいたら、初めからもう一度やり直すだろう、普通はね。 それとも、オンエア最中に間違いに気づいてあわてて直したのかなぁ? どうしてこんなことになったんだろう??? 受像機側の問題? そんなことはないよなぁ。 NHKさん、教えてくれませんか、この秘密? でもね、こんなことが頻繁にあり過ぎ。日本に1億台あると言われてるテレビのうち、ハイビジョン・サイズのものって、まだまだ微々たるものなのよ。どういう思いで番組を流しているのかなぁ。 スポンサーがついた民放が同じことをやったらどうなるか。担当者は命が縮む思いだね。 いやいや、何より、放送局は視聴者をバカにしてると言われても仕方ない。 他山の石とさせていただきます。ありがとさん。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[制作現場] カテゴリの最新記事
|
|