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カテゴリ:制作現場
地元の駅前のビルにある寿司屋で打合せ。取材する側の思い入れについて話し込む。 今日、話したディレクターは元カメラマン。ローカル局は軒並み制作費削減という現実の中、自分で企画し、自らカメラを回し、編集もするという作業を続けている。 彼と仕事をさせてもらって思うのは「伝えたい」という思い入れ。 前回、一緒にやった時、「もうダメ。もう取材を続けられない」という切迫詰まった時が何回かあった。それを打開したのは彼の思い入れ。関係者に頭を下げてまわり、自分の思いを伝え、分かってもらう。 番組作りって、その繰り返しだ。 夜は尋常じゃなく遅くなる。友だちは減る。家族は心配し、しまいには怒り出す。体調は狂い、薬の世話になる。 プレッシャーは強い。でも、うまく行って当たり前。 そんな中、なんで番組なんか作る必要があるのか? 数えるほどの視聴者しかいないのに。 それは、やっぱり「思い入れ」。知って欲しいことがあるから、拒否されても対象へ近づく。伝えなきゃらないと思うから、体を酷使してチャンスをつかもうとする。その「思い入れ」の度合いに比例するように、番組の面白さ、興味深さは形作られていく。 そんなしんどい思いをしなくたっていいじゃない。同僚には、のほほんとノルマをこなして、私生活に没頭するヤツらもいるんだから。 でも、物作り屋のサガだよね。 「完成」って高みに上り詰めることなんかないんだから。 熱を込めた話、聞くのが辛かった。「制作者としての存在意義」なんて古色蒼然とした言葉、久々に聞いたよ。 そんなヤツと仕事するのは体力勝負だ。 行き倒れるかもしれない。あとは看取っておくれね お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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