いざこととわむ。
きょうから沖縄。今年になって何回目かなぁ。今年の沖縄は空梅雨だと聞いていたのに、前回行ったときには、ぼくが那覇空港に着いたころから大どしゃ降り。タクシーの運転手さんが「あんなに雨が降らなかったのに、お客さん、気の毒だったねぇ」と気遣ってくれた。ま、どうせホテルと仕事先との往復だけだから、雨が降ろうが槍が降ろうが関係ないんですけどね、とは言わなかったけど、気分はほとんど投げやり状態。10年くらい前、ロケハンで近くの島までフェリーに乗ったことはあるけど、それ以外はいまだにナマの沖縄の海を見たことがないんだもんな~。きょうもどうやら雨らしい。飛行機からも見えないかなぁ。つまんないな。旅先だといろんなことを考える。名にしおわば いざこととわむ 都鳥 わが思う人は ありやなしやとなんて歌がふと思い浮かび、「お~、古文じゃ、古文じゃ、懐かしかぁ!」と自分で驚いたりしたりして。これ、たぶん、在原業平の歌だったと思う。川面にぷかぷか浮かぶ都鳥の姿を見て、都落ちした業平が問いかける。なぁ、お前たち。都鳥って名前を持っているからには都のことがわかるだろ?だったら、都に残してきた人のこと。何をやってるか、どうしているか、教えてくれないかな。生きてるか、死んでるかさえ、わかんないんだよ。てな意味(だと思われる。古文の先生、ご教授あれ)。消息不明の友人たち。どうしているのか、ふと気になることがある。そのきっかけは、おとといの日記に書いたようにある曲を聴いたことみたいに、ほんの些細なこと。上の歌がアタマに浮かんだのは、那覇に流れる決してきれいとは言えない川に水鳥が2、3羽、浮かんでいたのを目にしたとき。都鳥でもなんでもない、たぶん野鴨とであろうそれら鳥を見て「いざこととわむ」が浮かんだのだから、高校時代の古文の授業もまるっきりムダだったわけじゃないようだ。でも、次の展開がナイから、実用に役立ってはいないな、きっと。なにをやっているかわからない(相手にすれば、ぼくこそ「なにをやっているかわからない」ことになるけど)旧友たち、地球全部に広がるこの空の下、どこかで元気にやってるんだよね。Are you alright ? Yes, I'm alright !そうだったらいいな。