飯倉ニコラス・初代ラザニアの思い出。
いつか、ちゃんと記録をしておこうと考えていました。しかし、この「ラザニア」というヤツは作るのにめちゃめちゃ手間がかかります。連休最後の今日。昼過ぎから仕込みに入り、やっと食べたかったラザニアを作りました。今から、40年近く前、飯倉インターの近くにある、初代「ニコラス」には、亡き父に月に1、2回は連れて行ってもらいました。当時3~4歳だった私は、ラザニアが大好物。大人1人分をぺろっと食べちゃっていました。初代コック長のナカちゃん(すみません。ここではそう呼ばせてください。名シェフ。)の作るラザニアはどこにもない絶品でした。当時の「ニコラス」についてはここに。かなりのドラマがありました。ニコラスの経営形態が変わり、自由が丘で落ち着くイタリア料理店を開いたナカちゃんの元を訪れたのは、父が亡くなりしばらくしてから。その時は相変わらず、美味しいラザニアを頂いたのだけれど・・・注文をもらってから、1時間近くかかるこの料理。「待っていられない若い人が多くて・・・」いつしか、前菜のようなラザニアになっていました。私の小さい頃からのラザニア好きを知っているナカちゃん。「これあげるよ」とくれたのは、特注で作ってもらうラザニアを焼くための器。縦横11センチ、厚さ4センチ大事に磨きこまれていました。「これぢゃないと、ウマいラザニアにならないんだ」ナカちゃんのような美味しいラザニアは作れないけれど、この四角い器の中で層になったパスタを上からきれいに切りながら、涙がこぼれそうになりました。では、我が家のなんちゃってラザニア。一般のラザニアは、ホワイトソースを使う事が多いけれど、牛乳を火にかけ、鍋肌がぷつぷつ温まってきたところでレモン汁。それをゆっくりかき混ぜて固まりになったところで濾した柔らかめのカテージチーズに塩とキャラウェイ。それを使います。いつものミートソースよりトマトを多めにして、コトコト煮込んだボロネーゼソースと、上のチーズ、ラザニエを交互に重ねます。最後に溶けるチーズ(良いチーズのブレンドはウマい)。そしてオーブンで焼きます。いろいろ工夫はするけれど、ナカちゃんのようにはいきません。前に聞いてみたら・・・このミートソースの中に配合を指示した生ソーセージが入るようです。。。。って、そんなの無理よ!!でも、こうやって、四角い器の端から大事に食べていると、彼とのいろいろな会話を思い出します。お元気だといいな・・・