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カテゴリ:文化・芸術
新型コロナの影響により、執権殿から不要不急の外出自粛が命ぜられたのが2月の中旬。それ以降、藩邸と自宅の往復、休日はスーパー、ガソリンスタンド、ケンタッキーのドライブスルー、そのぐらいしか行動範囲が無い。引きこもり生活のお陰で、小説の見直し作業が進んだ。拙者の語彙力不足が次々と明らかになって、ああやっぱり素人だなぁーと思うのは、ある意味当然かも知れない。眠たくなったら、作中の登場人物「ヒデキ」が好んで聴いたメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を聴く。それが飽きたら、ゴーストライター騒動の「交響曲HIROSHIMA」とかね(個人的に曲そのものが好きです)。
拙著についてはこちらから でも、時間をかけたことで面白い発見もあった。ヒロイン「ミキ」の出身地が広島県東部ということは、セリフは備後弁に直した方がいいと思い立った。ところが、この備後弁という言語が面白くって、勝手に一人でウケていた。広島弁と岡山弁がミックスされており、何故か三河弁まで入り混じっているのだ。なぜ遠く離れた愛知県なのか・・・それは江戸時代の大名配置が影響しているのだ。これまで知らなかった知識を得るのは、楽しいことである。 初めて広島行った時に撮った備後福山城 まぁどうにか見直し作業が終わったところで、原稿の登録作業を行った。作業は全てネットで完結することになっている。ムゲンブックスという、費用のかからないコンテンツを使用しているからだ。登録したのは3月の中旬ごろ。後は出版社の審査、アマゾンの審査をひたすら待つことになる。 重苦しい新年度の始まり でも、このような情勢を背景に改めて聴く「復活」は全然大袈裟じゃない。何と言っていいか・・・ドイツ軍包囲下のレニングラードで、ショスタコの「第七番」を聴いているような緊張感であろうか。今の我々は、ウイルスという見えない敵に包囲されている。皮肉にも、自分が内心憧れていた「大きな物語」がやって来たのである。 拙者がよく聴くマーラーのCD 4月中旬、ムゲンブックスからのメールが来て、アマゾンの審査も済んだことが分かった。ああ、とにかく自分がこの世に生まれて何か一つは「残せる」ものが出来たんだなぁと、少し気持ちが楽になった。新型コロナの騒動で、改めて自分の命というものが有限であること、当たり前のように明日が来るという考えであってはならないことを、身に染みて感じたのだ。 とりあえず本を数冊発注しておいた。藩の御家老が、ぜひ読みたいと言って下さった。人から金取るなどと1万年早いと思っているから、まずこちらで用意してお貸しするところからスタートだ。まずは人様との話のネタになれば、それでいい。とても小さな一歩だが、一歩踏み出したことに意味があると考えたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.05.10 21:29:15
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