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今日はテニスをしていました。
一冊の良い本との出会いから、あなたの人生に全ての良いことが起こります
本のソムリエがお薦めする本日の一冊は・・・
「
」
淵上 正朗、笠原 直人、畑村 洋太郎、日刊工業新聞社
【私の評価】★★★☆☆(72点)
■政府の事故調査・検証委員会メンバーが
その膨大な報告内容を
一般の人にも読める形にまとめた一冊です。
これ一冊では十分ではないと思いますが、
事故の流れはわかるでしょう。
現地の東京電力の社員は、
できることはやったのだと思います。
・(3月13日)14時31分頃(数多くの危険な兆候)
この頃、(3号機原子炉建屋)二重扉北側で300mSv/hという
高い線量が計測され・・・15時28分には、3号機中央制御室でも
12mSv/hという高い線量となった。運転員は、中央制御室の
同じ部屋の中でも線量の低い4号機側に避難した。(p88)
■福島第一原子力発電所では、
1階面で海水が70cmも浸水し、
配電盤が壊滅したのが致命的でした。
電源が確保できなければ、
できることは限られます。
現地の運転員に自動車のバッテリーを集めて、
直流電源の替わりとして使おうと考える時点で、
勝負は決まっていたということです。
・今回の事故で致命的だったことは、「配電盤などの配電系が、
浸水というたった一つの原因で事実上全滅」したこと・・・
配電盤は、複数の配置やプラント間の融通などにより
「多重性」は確保されていたが、多くが地下1階に集中的に
配置されていたため・・・「単一原因で全滅」(p124)
■この本の特徴として、
失敗学からの考察があります。
海外では911をきっかけにテロを含む
重大事故対策が進むなかで、
日本では“視野狭窄”が起きていたという。
柏崎刈羽の地震被害→地震対策に集中
シュラウドのひび割れ隠し→小さい物事にも対応
シビアアクシデント→「寝た子を起こすな」発言
つまり、日本では官僚の保身のために、
どんどん形式的な管理、規制を行うように
なっていったというのです。
・アメリカではテロなどを考えた広い意味での
アクシデントマネジメントがきちんと行われるように
なったのに対し、日本では地震に対してのみ注意が集中し、
しかも形式的な管理・規制を行う方向に走っていった(p147)
■東京電力の社員は、社会的にも経済的にも
たいへんなことになっていると思います。
では、原子力を電力業界と協力して推進し、
「寝た子を起こすな」と発言した
経済産業省原子力安全・保安院および
内閣府原子力安全委員会の人たちは今・・・。
消えた年金と同じように、
すべてはうやむやになるのでしょう。
畑村さん、
良い本をありがとうございました。
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