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ここは日記であって、日記ではない。 小生のエッセイ集コーナーという意味合いもあるので、昔書いたものを再放送という形で、加筆して、並べてみようかと思う。 まずは第1弾として「見世物小屋の復活」!! ---------------------------------------------- ある記事を見た。 昔、自分がこどもの頃であった、ある人がでていた。 いや、その人かどうかは定かではない。 似た人なのかもしれない。 その記事の人が別人であるのなら、あの人は、今、どうしているのであろうか・・・ それは、遠い昔の出来事・・・ ---------------------------------------------- I. 見せ物小屋の招待 江戸川乱歩の探偵小説猟奇読み物、、少年小説と評論、すべてを網羅して分厚い文庫が全30冊で光文社から出版されている。以前講談社から江戸川乱歩全集文庫があったけど、装丁と中の活字が安っぽかった。しかし手に入らない評論とかもそこに入っていたので、評論部門は全部買っていた。 今回、装丁も品が良く、活字も変に安っぽくないので、全部揃えようとせっせと買っては読んでいる。読むと言っても再読、あるいは再々読である。 乱歩の作品には、よくサーカスとか見せ物小屋とか出てくる。 見せ物小屋を見たことがあるだろうか? 私はある。 乱歩の時代は結構、お祭りなどで多かったようだ。 昔、近所の神社のお祭り、縁日で見せ物小屋が出ていた。私の記憶ではその神社では、その一回キリであったと思う。当時ろくに小遣いももらっていない私は、お祭りでお金もないくせにいろんなものを見て回って楽しんでいた。 そして、見せ物小屋にぶち当たったときは、この中に別世界があるんだ、と思った。 入り口では、おじさんが口上をまくし立てて客を引き寄せていた。「お代は見てのお帰りだよ」よく聞くフレーズであるが、実際に聞いたのはこれが最初で最後だったと思う。 どうしようかな、見たいな、でも金がないな。でも、お金がなくても入れるな、と思って、私は入ってしまった。 入り口の口上で、中で何が見れるかは大体想像できた。しかし、想像は好奇心をくすぐる最高の調味料。想像するからこそ、事実を確かめたくなってしまうのだった。 まずおじさんが最初に紹介していたのはヘビ女。 「アフリカの密林で発見された巨大ニシキヘビに育てられた絶世の美女、ここに来たり!おミネちゃんだよーーおミネちゃーん!」とおじさんが声をかけるとテントの端の布の間から、「ウオーーっ!」とターザンのような女性が顔を出す。「食うぞおおーーー!!」とアオダイショウかマムシくらいの大きさのヘビを口にくわえるのだ。ひぇーー!すごい!正直おっかなかった。でも彼女はすぐに引っ込んでしまう。今見たのはいったい何なんだ? おじさんの前口上は続く。 「そして、これまた驚異のこびとのミーちゃん!!(事実に即して表現します。不適切な言葉があるかも知れませんが、前口上のおじさんの人格権著作権を尊重してそのまま掲載させていただきます)普通の人間の半分の大きさで生まれたミーちゃん!体は小さいけど、実はわたしたちを超える遙かなる力をお見せします!ミーちゃんやあーー!!!!」と、これまたおじさんが声をかけると「アイアイーーッ!!」と返事をして、小さな女の人がテントの間から顔を覗かせた。一瞬で彼女は引っ込んでしまった。当時はまだ知らなかったけどあとになって考えてみると、ジャイアント馬場に似ていたこびとの女の人であった。「さてさて、ミーちゃんの魔法の力が、このテントの中で爆発しマース!!」 オイオイ、すごいことになってきたぞ!すごく見たくなってきたぞ!でも金無いんだよな。 「さて、お次に控えしハーー!」おじさんはどんどんしゃべっている。「哀れ、クビをふたつ持って生まれてきた赤ちゃん!!!もう、二度と会えないこの子のかわいそうな姿を見てやってチョーダイ!!」 うあああーーー!!出たよ!二つのクビを持って生まれてきた赤ちゃんだよ! 「この子は、呼んでも出てこれないの!二つのクビは四つの耳!かわいそうに、音が聞こえない!でも、中にはいるといるんだよー!哀れな姿をさあ、みんなで涙をしてください!!」(それを笑顔で言うなよ!おじさん) 入りてえーーー!!! 「お代は見てのお帰りだよ!!さ、入った入った、嬢ちゃん、坊ちゃんも入った入った!!お父さん、お母さん、もう二度と会えない不思議なこの子らに会ってやってちょうだいな!!」 えーい!もう、入っちゃえ!!! さあ、果たして中で私が目の当たりにした凄惨な光景とは!!! ヘビ女おミネちゃんと、こびとのミーちゃんが私に襲いかかるのか!!?? 二つのクビを持つ赤ちゃんの正体は!!?? そして、金がない私は、この見せ物小屋から脱出することができるのか!!? ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー (つづく) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2006年11月05日 22時16分34秒
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