仔犬の名はワルツ・・でした
盲目の天才ピアニスト美少女が過去そして現在に不気味な事件を起こすほどどろどろした骨肉の遺産相続争いの嵐に巻き込まれる。最後に生き残る天才は誰か・・・!?「仔犬のワルツ」が終わった。日本テレビ開局50年記念企画という鳴り物入りのドラマであった。正直、もともとは安倍なつみがでているドラマという認識しかなかったので、大して期待してなかったんだが、結果的には面白いと思った。(安倍なつみが出ているから見たんだけどね)安倍なつみはモー娘。を卒業してしまったが、前も書いたけど、そもそもモー娘。はおじさんたちのものだった。年端もいかない娘たちが「抱いて抱いて抱いて」とか「ハア~・フウ~ン」とかそぐわないセクシー歌謡曲を歌うから受けていたのだ。どちらかというとお子ちゃま向けグループになりさがってしまったモー娘。を卒業してくれてよかったと思う。安倍なっち万歳!記念企画と銘打つだけあって、登場するキャストは豪華。メインとなる安倍なつみ、西島秀俊をはじめとして、小林圭樹、竜雷太、酒井和歌子、岡本健一、風間トオル、小柳ルミ子、谷啓、袴田吉彦とかいろいろ。ストーリーも単に盲目の天才ピアノ少女と青年の恋物語かと思っていたが、やはり野島伸司企画だけあって、一筋縄ではいかない物語ではあった。同族企業の音大の後継者争い、遺産相続、過去の事件、謎の白覆面の女、片割れが死んだ双子(生きているのはどっちだ?)、そして毎回誰かが殺される・・謎が謎を呼び、なっちを引きずり込んでいく。とゆーか、どちらかというとなっちはどうでもよくなって来ちゃうんだが・・アイドルに恋愛、動物ネタというふうに「いかにも」だが、「仔犬」はあまり関係なかった。いてもいなくてもよかったような気もする。むしろ、往年の大映テレビのノリ(「ヤヌスの鏡」の杉浦幸も出演!途中でなぜか重要な役になる)、あるいは最近の「ぼたばら」のノリで見るドラマだったのだ。(「さそり」のパロディとか笑えた。ホントは梶芽衣子がやってくれればよかったが、ま、多岐川裕美でもいいだろう)豪華キャスト以外にも、「ウオーターボーイズ2」の主演が決まっている市原隼人や注目株の忍成修吾とかも出ており、バラエティに富んだキャスティングであった。(失格した女の子たちが、もっと最後に活躍して欲しかったような気もするが)「やはり野島伸司企画」といったが、実は野島伸司の名前があったからこそ期待できなかったと言うこともある。企画なので、どこまで関わっているのかわからないが、あの「プライド」が野島伸司脚本だったので、もうダメだなと思っていたのだ。ひどいドラマだった。今年のワースト1と言っても過言ではない。(見てないものにはもっとひどいのもあるかもしれないけど)前にもちらりと書いたが、なんかよくわからないテーマで、訳のわからない奴らが毎回同じことしているだけのドラマだったので、ああ、野島伸司も地に堕ちたなと思った。あんなんだったらはやく「フードファイター」の続きやれよ、と思ったもんである。またなっちも、相変わらず不幸な美少女路線かよ、という感じがあった。ナースマンの時と同じような役かよと。でもいいけど。しかし、期待しないで見てみると、いろいろなドラマ・人物が本線とは違う世界で進んでいって、かなり入り組んだミステリ仕立て。これはもしかしてという期待を抱かせることとなったのであった。なんというか、こういうふうに今後の展開が楽しみに思ったのは「眠れる森」以来だったんじゃないかな。終わりよければすべてよし、というが、最終回は、ちょっと駆け足だった。酒井和歌子の息子のこととか真犯人の犯行現場の再現とかあっても良かったと思う。結末も、銃声で終わって、よくわからない。まあ、はやりの「見ている人に考えてもらう」結末か。銃声で終わるというと「フレンチコネクション」を思い浮かべるが、まあぱくるにしてもネタが古すぎるので、「よくある手」だろう。「農家のヨメ」の時も書いたが、昨今のドラマは最初と最後だけ見りゃいいと言うものばっかりで、柴咲コウの「オレンジで伊豆」・・いや「オレンジデイズ」も、その「いい例」であった。しかし「仔犬のワルツ」は、一応途中を抜いたら、何がなんだかわからなくなっただろう。第1回と最終回だけでは何がなんだかわからん。ということは、毎回見逃せないことは見逃せなかった。(ご存じの通り、北朝鮮拉致家族帰国の時は見事に見逃したが)この春ドラマの中で見ていたのは、「オレンジ」「アットホーム」「離婚弁護士」「仔犬」(「農家」は春ドラマとは違う)。まあ好きななっちのドラマということもあるが、というわけで「仔犬」が一番面白かった。「いいドラマ」ということではなく、「面白い」ということであるが。そう、連載マンガのノリである。こんなのありかよ、とばかりに昨今のドラマにありがちなつっこみどころは確かにある(というか、最近はそういう突っ込みが楽しいのであるが)。あるどころか、ほとんどめちゃくちゃの世界だ。しかし、まあ、それはそれで面白いし、やっぱり見てみれば安倍なつみはかわいいし、最初に仔犬の「ワルツ」に顔をなめられているなっちを見て、何人のおじさんたちが「ああ、俺も犬になりたい!」と思ったことであろう!ちなみに、私は確実にその中の一人である。(うーむ、やっぱりこれじゃロリオタかな・・・その上、次回からは、この時間、あややのドラマだし・・)