立つのは誰だ!? -- 決断の時9
朝の通勤電車には、様々な風景がある。それは、決断の時でもあるのだ。私の使っている電車は、毎度おなじみの「日本で一番混む通勤電車」である。どういうデータから、「一番混む」のかはよくわからないが、いわゆる通勤ラッシュ時に乗ると、スポーツクラブで2時間運動したのと同じカロリーを消費する。つまり、やせたい人は、この電車に乗ればよいわけだが、そんなに激しい運動をしてから、さて会社で仕事となると、それはそれでつらいものがある。だから、座りたい。このシリーズでは、一番最初に「席を譲る問題」を取り上げたが(取り上げたと言うほど大層な日記ではないけど)、やはり、できれば席を譲らずに座りたい、座って通勤したいと言うのは、しかるべき人間の欲望であり性である。座れば、前の晩に3時頃までDVDを見ていて睡眠不足になっていても、ある程度睡眠が補える。都心に向かう3、40分と言う短い時間とはいえ、その睡眠はでかい。あるいは、本を読むことができる。iPodで音楽を聴くこともある。ゲーム・ボーイをする・・・いや、さすがに、こんな私だが、それはやっていない。パソコンを開くのも、通勤電車ではやったことはない。(本や音楽は立っていても、読んだり聴いたりできるな・・)幸いなことに、私の通勤する時間は、超通勤ラッシュ時とはズレている。だから、立っていても、カロリー消費量はさほどでもない。でも、やはり座りたい。さすがに、ラッシュ時とずれているとはいえ、乗車駅から電車に乗り込んで、席が空いていることは滅多にない。でも、混み具合は、ゆうゆう好きな場所のつり革につかまることができるくらいの程度である。その場合、途中の駅で降りそうな人の前に立つ。一番確率が高いのが、パートのおばさんっぽい人の前だ。パートのおばさんは、私が住む新興住宅地から、わざわざ都心に行かない。なるべく、そう遠くない、場所で仕事をする。そういう仕事を探す。でもって、パートのおばさんは、きっちり服装や化粧は「決めていない」。バッグも、そう高級でもないものや、あるいは「成城石井」のショッピング袋である。ま、中には、服装はきっちりしてなくとも、バッグはヴイトンやプラダと言うケースも多くなってきた。そういうおばさんは、途中でほとんどおりる(はずだ)。そういうおばさんがたくさん降りる駅が途中であるからだ。何の仕事をしているのかは知らんが、席が空けば、それは問題ではない。そこでは、いっぱい通勤客が乗ってくるけど、一足先に前に立っている、私の勝ちである。「ラッキー!」と心の中で喜んで、座る。そこから座っても30分あるかないかなんだが、ま、座れるに越したことはないのだ。あと、結構途中でおりるのは、女子高生である。大体制服を見れば、わかるのだ。しかし、女子高生の前に、立ちはだかって、座りたい光線を発するのは、おじさんとしては、恥ずかしいので、あまり女子高生を狙うことはしない・・(って、おいおい、いったい何言ってるんだか!!)まあ、ヤバいのは、スーツ姿が決まっているサラリーマンとOLである。彼らも、私と同じく、都心まで向かっているのであるから。しかし、そう思って、前に立っても、立たないおばさんも当然いるわけである。お、しめしめ。このおばさんなら、途中でおりるな・・今日も座れそうだぞ。・・・おや、ケイタイを取り出してメールを打ち始めたぞ。(と、おばさん、窓の外を振り向いて見ている)お、そろそろ降りる駅に着いたのか?(おばさん、そそくさと携帯をバッグにしまう)やった!(おばさん、バッグから本を出す)おいおい!本かよ!じゃあ、外見てたのなんだったんだ??!!(おばさん、ワシがおりるまで本を読み続ける)ちきしょー!ババア!覚えてろよーーー!(と思いつつ、こっちは覚えてないんだけど)と、まあ、完全に自己中心主義の私である。でも、そういう日は、「運が悪い」と思ってあきらめるか、自分の審美眼が足りなかったことを自戒するしかないのである。(おばさんのせいではないのだ)というわけで、今日は、座れなかったのである・・・(T_T)