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カテゴリ:お客さん
今日は何もしないでダラダラしていようと思ったのに、お昼過ぎに友達J君から電話。
『こっちの仕事が終わった後でのみに行かない?』とのこと。 のみに行くのを断ることは私の場合は無いので(この手を使って呼び出すのが私の友達の手段でもあります)、支度をして出かけました。 前から欲しいと思っていた秋用のハーフコートを買いに行こうとも思い、早めに家を出たのですが家具屋さんの前でセールの看板を見つけたのでちょっと寄ってみたら欲しいと思っていたソファがあったので店長さんとお話。 注文を受けてから作るので3週間から4週間かかる、と言われましたがそれでも欲しかったのでルームメートに相談してから決めようと思ったけどもルームメートは滞在先で就寝中のはず。 ビジネスカードだけをもらってから飲みに行きました。 J君はすでに仕事を終えてカクテルバーで待ってました。 何を話すわけでもなくいつものようにくだらない会話で盛り上がっていて、その途中で『そういえば先週の金曜日に女王陛下国の首都からの便に乗務してた?』と聞いてきました。 毎週金曜日はその路線に乗務しているので、『うん、毎週同じ路線やってるから。』と答えると、 『実は僕の上司が君のフライトに乗ってたんだよ。』とのこと。 前もって教えてくれりゃ、手厚いサービスをしたのに、と思いながらも聞いてみたら、J君は私がどんな様子で仕事してたのかを上司に聞いたらしく、上司は『あのパーサーはあまりいいムードではなかったみたいだよ。』だって。 そうそう、先週のあの路線、クルー全員がキレるほどのフライトだったのです。 客席からの呼び出しは離陸後すぐになりだし、フライト中ずーっと、ずーっとの連続だったのです。 食事のサービスもままならないほどで、サービスも進まないし、終わって休憩しようにも呼び出しコールが鳴りっぱなし。 その全てが飲み物の注文。 どれだけ飲めば気が済むのかと思うほど。 飲み物を持っていっても有難うの一言もなし。 キレたクルーの1人が有難うといわれなかったので嫌味で『どういたしまして!』。 で、たまたまトイレに行くために出てきた機長が呼び出しコールが鳴り続けるその現場を目撃。 コールボタンがならないようにスイッチを切ってしまったのです(!)。 トイレも満杯になってしまうし、着陸の3時間前にはアルコールは全てロックしてしまいました。 私の書類をつくる時間も全くなし。 お金の計算もあるし、書類は作らないと行けないし(家に持って帰ってくることができないので)、さっさとロックしてしまいました。 途中の経由地でも人数確認が進まないし、いくら機内放送で着席するように言っても聞かないので機長が『ただちに座席につかないのならこの先に行けないし我々の乗務時間もオーバーしてこのフライトはキャンセルになるから、今すぐに着席するように!』と怒ってアナウンスするほど。 ようするに言うことを聞かないマナーの悪い人達だらけのフライトだったのです。 そんな中にJ君の上司がいたなんて。 で、私は言ってやりました。 『マナーも何もないような連中にサービスなんかしない。 そんな人達はサービスを受ける権利もないし、第一に私の仕事はサービスよりも保安・安全に関するものが先にたつんだから。』と。 とにかく嫌なフライトがずーっと続いていたのです。 でも花の都だけは別。 なぜだか花の都のお客さんはパーフェクトな人が多く、私達もオーバーなサービスをしがち。 マナーもあるし、話をしていても楽しいし、そんなお客さまにはサービス以上のサービスをしてしまいます。 それが人間なのかもしれないけど。 サービス業に従事している以上サービスが一番、と言われるかもしれません。 それを考えたら私達はサービス業失格かもしれませんが、こちらではそんなことはありません。 お客さまは神様、という言葉すらありません。 人間はみな対等というんでしょうか。 はあ、いつの日か昔むかーしのように特別な方のみが飛行機に乗れる、という時代に逆戻りすることはあるんだろうか、と考えてしまった出来事でした。 ちなみに飲みに行ったあとでハーフコートをゲット。 家に帰ってきて気がついたらコートをかけるスペースが限りなくゼロに近いことに気が付きました...。 【終】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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