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2009年05月11日
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カテゴリ:読書
生瀬克己さんが書かれた「日本の障害者の歴史・近世篇」を読んでみました。
生瀬さん、ご自身が障がい者のようで、桃山学院大学の教授か助教授をなさってるようです。図書館で借りて読んで、もう返したので、著者のプロフィールはうろ覚え・・・

さて、近世篇とあるように、江戸時代の障がい者について書かれています。ノートに取った分から箇条書きに書き出してみると。

○近世・江戸時代以降 見せ物→民衆の「新奇」への願望。
 身体・形状に一定の「社会的通念」があり、それと乖離したものは「新奇」とされる。
 障がい者を見せ物にする。

○障がい者に対する「恐れ」、 身内に出る事による「恥」、それに付込む輩。

○近世領主層の政策上の最大関心事→基盤を成す農業の維持・強化 封建秩序・治安維持 農民の離農・遊民化を防ぐ、障がい者保護より優先。

○被差別者⇔常民の日常性と衝突。

○障がい者に対する疎外の構造
 人間の序列  オトコ→オンナ→フグ 封建制の論理
 「よき人」家業に必要な、知・技・倫理性をそなえ社会の維持に有効な存在 
 枠からはみでた時、人間としての価値をなくす→よき人だけが人間という価値観・倫理観
 障がい者・無宿・老人・・・よき人の枠外

○儒学者の障がい者観
 江戸初期 貝原益軒 障がい者・窮民を疎外することは「不仁」富貴なる人による救済
 山鹿素行 親族あるものは親族が、なき者は「人君」による救済
 熊沢蕃山 障がい者復権の理論 座頭などのグループ化 芸能などに道を得て「遊民=無用の者」という地位からの脱却

 中期 18世紀を過ぎると障がい者観に変化
 中井竹山 病者・障がい者は社会理論の枠外 やむなく養育される存在
 山片ばん桃(虫偏に番) 刑罰として不具にしてしまう、
 障がい者の抱えている不自由さ痛苦は無視 痛苦ゆえに犯罪抑止効果ありとする 社会防衛の為の理論。

 幕末期
 海保青陵 封建秩序の崩壊 深刻な内政危機 資本主義的な労使関係の発生
 「働かぬ者=惰民」「働けぬ者=障がい者・病者」→ともに「食いつぶし」
 「食いつぶし」の存在→国家の損失 それを防ぐ為「救済」ではなく「見殺し」

 国家・社会の利益が最優先となり、以後の障がい者の運命に決定的影響を与える。

以上ノートよりでしたが、現在の障がい者の在り様、いわゆる「世間」の障がい者への対応などを考える上で有用な一冊でした。
江戸末期の「見殺し」という論理、明治の富国強兵・殖産興国の政策につながり、ライ病患者の隔離政策など、そのまま踏襲されてきたのではと考えます。


けっこう高い本だったので図書館で借りて読みました^^





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最終更新日  2009年05月11日 21時55分33秒
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