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カテゴリ:読書
ISが暴虐の限りを尽くしている現在、彼らはイスラムの教えに従っての聖戦と言っている。
で、ISについて彼らの行動原理を考えるには「コーラン」を読まねばと思い「コーラン」を通読。イスラムの神はユダヤ教・キリスト教と同じ神だけど、やたら異教徒は殺し財産は略奪し、神を信じぬ者は地獄に落ちると、宗教的な脅しとも感じてしまう文言が何度も繰り返されている。 「コーラン」自体だけでは分からない部分もあるだろうと「イスラーム思想史」を読んでみた。「コーラン」の解説的な本かなと思ってたけど超難解。 大学の教科書みたい、神学・神秘主義・スコラ哲学(東方・西方イスラム哲学)についての記述が続き、初めて聞くイスラム思想家達が登場。後半はギリシャの影響やインドの影響の事もでてきて、多少は分かりやすく、仏教の「一即一切・一切即一」「色即是空・空即是色」や禅宗における大悟に通ずるのではと感じられる部分もあり、どんな宗教・思想・哲学も突きつめると、同じようなところに行きつくのかなと思った。 巻頭の叙述には「アラビア人は視覚・聴覚にきわめて鋭敏な人達で砂漠を生きぬく必須条件。砂漠地帯の遥か彼方に起きた砂嵐に一早く気づき、また襲ってくる他部族に素早く気づく、遠くのオアシスを見つけるにも、また地下水の流れに(聴覚で)気づく、生き抜く為に自然に身に付いた能力。その本質は現実主義・感覚主義・個物主義で非合理的・非論理的である。「コーラン」は著しく視覚的魅力・聴覚的魅力を持ち、擬人神観の危険も内包している。」 ムハンマドはAD600年代の人ですが、このアラビア人の特徴はそれ以前から、それ以降現代に至るまでも、アラビア人の核となる性質・性格なのではと考える。 以上「イスラーム思想史」の感想と巻頭部分の要約でした。 あ、著者は井筒俊彦氏、1914年生まれの日本のイスラム研究の第一人者のようです。まだご存命なのかな? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年06月05日 12時58分10秒
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