カテゴリ:本
大阪の下町の商店街に暮らす人々の物語だった。 何年か前に読んだ輝さんの『春の夢』って本を読んだときと似た感覚を持った。 なんだろなぁ…、なんか寂しくなる本だったよ。 輝さんの本は読んだあとにストーリーよりも人間が大きく心に残るってことを、何度か書いたんだけど『夢見通りの人々』なんかは、その最たるものじゃないかと思ったよ。 てゆうか、この本には人間しか居なかったって感じだな…。 でね、いつも輝さんの本には魅力的な人たちがたくさん登場するんだけど、この本に登場する人たちは人間くさいってゆうか泥臭い人たちばかりなんだよ。 輝さんがよくやるやり方なんだけど、『夢見通りの人々』は章によって主人公が変わるって書き方なんだけど、いつもだったら二人の主人公が交互に出てくるって感じなのに、この本は『夢見通りの人々』が次々に出てくる。 で、常に主人公から見える『夢見通りの人々』は、なんか情けないというか、ちょっと嫌なやつって感じなんだけど、主人公が順繰り順繰り変わるから、読み終わってみたら”みんなええやつやんか”って思っちゃうんよね。 人から見たら変に映る人でも、その人の中にはいろんな思いがちゃんとあって一生懸命生きてるんだもん、きっと僕の周りの人たちでも輝さんが小説にしたら、みんなええやつになるんだろうなって、そんな妙なことを思ったよ。 でも、まぁ、いつでもどこでも人の世の中なんてそんなもんなんだろうな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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