テーマ:本のある暮らし(3316)
カテゴリ:本
昨日、ラジオでアーサー・C・クラークさんが亡くなったって報じてた。
ご冥福をお祈りします。 90歳だったそうだ。 クラークさんは、昔、僕が一番好きなSF作家だったんだ。 世間的に一番有名なのは『2001年宇宙の旅』の原作者だということだと思う。 2001年宇宙の旅 あのスタンリー・キューブリック監督で映画化されて有名になったからご存知の人もたくさん居ると思う。 2001年宇宙の旅 クラークさんの本を出してきてクラークさんを偲ぼうと思ったんだけど、オークションでクラークさんの本を9冊セットで売ってしまってたんだよね(^_^;) オークションに出したのは、右上の写真のセットなんだけど買った人は今頃僕の変わりにこの本たちを並べてクラークさんを偲んでくれてるんじゃないだろか。 僕は、昔の自分のことをあまり好きじゃないし、過去の自分を売り払ってしまうことに何の抵抗もないんだけど、こんな時はいっとき過去に浸りたいなんて思ったりもするな…。 クラークさんはSF作家であるのと同時に科学者でもあったんだ。 今では当たり前になってる衛星通信を、世界で始めて科学的に示したのはクラークさんなんだよ。 クラークさんとアメリカのアポロ計画とのあまり知られていない逸話を書こうと思う。 アポロ計画で人類が始めて月面に足跡を残したのはアポロ11号のアームストロング船長だったんだよね。 アームストロング船長は月面の「静かの海」に着陸した月着陸船から、月面に最初の一歩を踏み出す時に、そーっと片足で踏み出したんだ。 両手は梯子をしっかり持ち、右足はランディングパッドに載せたまま、左足をそーっと月面に降ろしたんだ。 これはね、月面の「海」と呼ばれてる部分は塵の海で、非常に沈みやすいという説があったからなんだ。 だから月着陸船の足の先に着いてるランディングパッドも沈みにくいように大きなお皿状の形をしてたんだ。 この月面の「海」が非常に沈みやすい塵の海であるという説を唱えてたのがクラークさんだったんだ。 だけど結局クラークさんの説は間違っていて、月の海は普通に歩けたんだけどNASAもクラークさんの説を無視するわけにはいかなかったって逸話なんだ。 右上の写真の右から4冊目の『渇きの海』は月の海の上の観光船が月の塵の海に沈んでしまうという長編小説なんだ。 渇きの海 その沈んだ舟の乗客を救出するための手に汗握る面白い本だったな! 月の海が固くて沈まないってことが分かっても、この本がめちゃ面白いってのは変わらないから科学の進歩がSFを面白くないようにするなんてことは少しもないんだよね(^_-)-☆ それとクラークさんの本が面白いわけについて、僕が昔感じたことなんだけど、NHKでクラークさんと小松左京さんの対談が放送されたことがある。 このとき、クラークさんは宇宙開発とか、宇宙の利用ということよりも人類には本能的にフロンティア精神を持っていて宇宙に出て行かざるを得ないんだ、みたいなことを言ってられた。 片や衛星通信なんてものを考え付く優秀な科学者のくせに、ロマンたっぷりの小説を書けるクラークさんらしい言葉だと思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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