カテゴリ:本
昨日テレビで『日本沈没』を観た。
凄い映像処理技術でもって、とんでもない映像をいっぱい見せてくれた。 草なぎくんの小野寺は原作の感じよりも、ずっと若い印象で、最初はなんか頼りないお兄さんって感じだったけど、最後は感動したよ! 自分の命を犠牲にして日本を救ったんだもんな。 こんなシチュエーションに遭遇したとして、僕だったら小野寺のように死に赴けるだろうか?って思ってしまう。 もし自分が行かなければ、日本がなくなってしまい、たくさんの人が死んでしまうって考えたら行けるのだろうか? その場に遭遇しなければ分からないだろうけど、やっぱ僕には無理なんじゃないだろうか…。 あぁ…、そんなの考えたら情けなくなるので考えるの、止めよっと。 昔、この『日本沈没』が初めて本になったカッパノベルスの新書版で読んだ。 そらもう衝撃の本だったよ。 小松左京さんは、たくさんの名作を書いてるけど、やっぱ『日本沈没』が一番の傑作だと思うし一番好きな本なんだ。 もう随分昔に読んだ本なのに、その冒頭で小野寺が東京駅の壁面の亀裂を発見するところと、一番最後のシーンで意識朦朧の小野寺が真夜中のシベリア鉄道を西に向かって何処かへ向かってたのだけは覚えてた。 押入れのダンボールの中から、そのカッパノベルスの『日本沈没』を引っ張り出してきて最後のシーンを読んでみた。 ほとんど覚えてたとおりだったけど、シベリア鉄道で西に向かって脱出する小野寺は片腕が無かったって覚えてたんだけど、そうではなくて、車中で小野寺を看病してる、小野寺の妻と名乗る少女の右手首が切断されて包帯でぐるぐる巻きだったんだ。 そうなんよ、原作では小野寺は死なないんだ。 それだけに映画で小野寺が死地に赴くところは辛かったなぁ…。 この本の最後の「完」のあとに、小松左京さんの6行だけのお礼の文章が書いてある。 ”(前略)地球物理学の竹内均先生のご著作から、数多くの啓発をうけ、参考にさせていただいた。(後略)” この言葉のとおり小松さんは竹内均先生のプレートテクトニクス理論から『日本沈没』を思いつき小説にしたのだそうだ。 小松さんは、実際に竹内先生に直接プレートテクトニクス理論の教えをいただいたらしい。 だから小松さんが言ってたんだけど、日本沈没はプレートテクトニクス理論によるもので嘘じゃなくて、ほんとに起ることなんだそうだ。 ”ただし、タイムスケールだけは嘘なんだ”って、にやっとして話しておられたのを、どっかで見たのを覚えてる。 つまり、日本は沈没してもおかしくないけど、それは1年ではなくて1億年とか10億年とかかかるってことなんだ。 竹内先生も2004年にすでに亡くなってられるんだけど、竹内先生は東大教授を退官されたあと、科学雑誌「ニュートン」の創刊時からの編集長もなさってた人なんだ。 NHK教育で高校理科の番組とかもよくやってられた。 バラエティ番組にもしばしば出演されてて、声の裏返る話し方に特徴があってタモリさんがよく竹内先生の物真似をしてたなぁ(^。^) それと、この『日本沈没』の最後のページの「完」なんだけど「第一部 完」てなってるんだ。 でね、ネットで検索してみたら『日本沈没 第二部』がなんと一昨年の2006年に刊行されてたんだ。 しかも、小松左京さんと谷甲州さんの共著だというんだからびっくりだよ! なんと一部から33年後に書かれた二部なんだって! 読んでみたいけど、一部を読み返さないと面白くないだろうから二の足を踏むんだよなぁ…。 日本沈没(第2部) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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