テーマ:本のある暮らし(3315)
カテゴリ:本
ブロ友のはる☆さんがこの本『「首の女(ひと)」殺人事件』を読んで”高村光太郎と智恵子について詳しくなって得した気持ちになった”っておっしゃってて、僕は何にも知らないなぁ、って思って次に読もうと思ってた本なんだ。
なるほど光太郎と智恵子について詳しくなれたんだけど、そんなことより光太郎の詩をモチーフに見事に構築された味わい深い本だったよ。 この本も浅見光彦シリーズで例によって光彦は殺人事件に絡む女性に軽く恋をするんだけど、まぁ今回もご他聞に漏れず成就しないんだけどね(^。^) でもね、今回こそは”もう光彦ええやん!結婚してまえよ!!”って思ったよ(^_^;) 今まで読んだ浅見光彦シリーズの中では一番短くて文庫本で278ページしかなかったんだけど、光彦の恋の部分では一番印象強い本だったな。 なんたって高村光太郎の『人に』という詩が心にしみるんだよ! エピローグの最後に恋のお相手が光彦に言うせりふが 「もし私が結婚しそうになったら、言ってくれないかな」 「いやなんです、あなたのいってしまうのが……って」って、この高村光太郎の『人に』の一文がエピローグの最後から2行目なんだよね。 って、なんのこっちゃ分からないだろうけど、 ”もうええやん結婚してまえよ!光彦~!”って、読み終わった後めちゃ思ってしまった僕でした"^_^" しかしまぁ心にしみる本だったなあ! でね、この本の解説に松村喜雄さんが”涙香・乱歩・清張が日本推理小説界の三大巨人に擬せられるが四つ目の椅子の可能性を内田康夫が秘めてる”って書いてるんだ。 昔清張に夢中になって読み漁ったことがあるんだけど、あの怨念の塊りのような本はもう今は読めないんだよね。 涙香は知らないし乱歩は古すぎて比べられないけど清張と内田さんを比べたら断然内田さんの方が面白いな。 内田さんの本にはほのぼのした恋の話なんかが上手に絡まって楽しく読めちゃうんだよね。 これほんとに殺人事件が必要なんだろうか?なんて推理小説を全否定するような事も頭に浮かんでしまう(^^ゞ で、そんな事を思うとね、内田さんて推理小説としてレベルが高い物をいくらでも書けるのが災いしてるんじゃないかなんてむちゃくちゃなことも頭に浮かぶ。 内田さんなら純文学を書いても、例えば宮本輝さんばりの本を書けるんじゃないかと思ったりする。 もしも内田さんが推理小説が下手だったら、芥川賞とか直木賞とかを取り捲ったかも知れないなんて思う…。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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