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2008年10月16日
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↑のタイトルは昨夜の『その時歴史が動いた』のタイトルなんだ。

タイトルはいかにも大層だけど、『その時歴史が動いた』のタイトルに合う、そんな歴史が動く瞬間を担ったアイヌの少女なんかが居るんだろうか?

なんて思いながら観たんだけど、いつもにもましてまさに歴史が動いた瞬間を、一人のアイヌ人少女がやっちゃったって感動の物語だった!

またNHKのドキュメントの罠にまんまとはまってしまい最後はオイオイ泣いてしまったよ(T_T)


今から100年ほど前に生まれたアイヌの少女・知里幸恵は、日本の「アイヌ民族同化政策」の中で子供時代をすごし、その教育によって日本人はアイヌ人より優れていると思い込まされてしまい、立派な日本人になろうと一生懸命に勉強するんよ!

一生懸命に勉強した幸恵はアイヌ民族としては初めて女子職業学校に合格して勉強に励むんだけど

「ここはあんたの来るところじゃないわよ」なんて酷い言葉をあびせられるような差別にあったりするんよね(>_<)

そんな頃、国語学者の金田一京介が幸恵の家を訪れ、幸恵の祖母から「カムイユカラ」というアイヌの伝承の事を聞き取りに来るんよ。

幸恵は、そんな偉い学者が「カムイユカラ」のことを学ぼうとしてわざわざやって来たことが不思議で金田一に訪ねるんだ。

「アイヌの伝承はそんなに値打ちのあるものなのですか?」

金田一は

「あなたがたのアイヌの伝承は素晴らしい物で、アイヌは決して日本人より劣った民族なんかじゃないのですよ」ってさとして

「学校を卒業したら、ぜひ東京に来てアイヌの伝承の研究に協力して欲しい」と言って帰って行ったんだ。

だけど幸恵は心臓病を患ってしまい、卒業しても東京に行ける状態じゃなかったんだ。

そんな時、金田一からまっさらのノートがたくさん送られてきて、”東京に来れないのなら、このノートにカムイユカラのことを書いてください”って依頼が来るんよね。

で、幸恵はノートにカムイユカラを書いて送るんだけど、その内容は金田一の想像をはるかに超えた素晴らしいものだったんだ。

そのノートの原本も残っててね

見開きの左のページにはアイヌ語をローマ字で記述して、右のページにはその日本語訳が記されてて、ローマ字も日本語もそれはもう奇麗な文字で書いてあって、そのままでも完全に読み取れたよ!

ノートの余白には、アイヌの儀式や風習のことを注釈として細かに書き込まれてるんだ!


びっくりしてしまった金田一は民俗学者で出版事業も手がけてる柳田国男にそのノートを見せて本にしたいことを話すと柳田国男もそのノートの素晴らしさを認めて、幸恵の本が出版されることが決まるんだ。

その知らせを聞いた幸恵は、心臓病の不安はあったけど出版のために北海道から上京してきて金田一と一緒に出版作業を頑張るんよね。

本のタイトルは『アイヌ神謡集』というんだけど、その冒頭に幸恵が選んだフクロウの神さまの「カムイユカラ」を載せるね。

銀の滴降る降るまわりに

金の滴降る降るまわりに

という歌を私は歌いながら 流れに沿って下り

人間の村の上を通りながら 下を眺めると

昔の貧乏人が 今お金持ちになっていて

昔のお金持ちが今の貧乏人になっている様です

私は 貧しくみんなから ばかにされ

いじめられている家族のもとを訪れました

彼らが神々への感謝を忘れない人びとだと知ると

この家族を幸せにしてあげました

私はいつでも人間の国をまもっています
 
と フクロウの神さまが物語りました

銀の滴降る降るまわりに

金の滴降る降るまわりに


人の生きるべき道を、なんとも詩的に情緒的に物語にしてるよね!


だけど心臓病が悪化して、幸恵は原稿の最終チェックを終えた正にその夜死んじゃうんよ。

それから11ヶ月後に、その本『アイヌ神謡集』が発売されたんだ。

その本が出ると今までアイヌ差別が普通だったのに、マスコミのあつかいも好意的で

『美しいアイヌ乙女幸恵さんの遺稿「アイヌ神謡集」が出版された 仕事半に若く死んだ幸恵さんの墓は……』なんて幸恵さんの写真入りの新聞記事が出たりしたんだ。

この『アイヌ神謡集』の序文に知里幸恵が書いた文章がね、とてもとても大正時代のアイヌ差別のまっただ中で19歳の女の子が書いた文章じゃないんだよ!

あんまり感動したから全文を載せるね。

その昔この広い北海道は

私たちの先祖の自由の天地でありました

それも今は昔 夢は破れて幾十年

この地は急速な変転をなし

山野は村に 村は町に

次第次第に開けてゆく

その昔 幸福な私たちの先祖は

自分のこの郷土が

末にこうした惨めなありさまに変わろうなどとは

露ほども想像し得なかったのでありましょう

激しい競争場裡に 敗残の醜を

さらしている今の私たちの中からも

いつかは 二人三人でも強いものが出て来たら

進みゆく世と歩をならべる日もやがては来ましょう


番組の解説の大学の先生が言うには

1923年に書かれたこの序文は「アイヌ民族の最初の『先住民宣言』」と言えるんだってさ!

実際にこの本は、アイヌの「カムイユカラ」を紹介するという意味以外に、アイヌの人たちが自ら立ち上がるきっかけになったのだそうだ。

『アイヌ神謡集』を読んだアイヌの人たちの中から、その後多くの人たちが「アイヌ復権」のために立ち上がったんだってさ!

アイヌ文化がアメリカインディアンほどには文化が失われなくてすんだのは、知里幸恵という人が居たからかも知れないな、なんて思った。

それと知里幸恵が金田一京助って人と出会えてほんとに良かったなぁってつくづく思ったよ。





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最終更新日  2008年10月17日 01時54分25秒
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