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2009年02月28日
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里中満智子さんの『天上の虹』を6巻セットで購入したって、この間書いた。


天上の虹(全6巻セット)

若い頃は歴史は明日香時代にしか興味がないぐらいに、あの時代が好きだったんよね。

だから、あの時代の皇族とその周辺の血族の相関関係がややこしいってのはよく知ってたし、多少のことは今でも覚えてると思ってたんだけど、1巻を読み始めたときには訳が分からなくてひとコマ読むたびに表紙裏の「人物系図」を見なけりゃ理解できない状態で、こりゃぁえらい本を買ってしまったなぁ…、って思ったよ(^_^;)

でもそんな風に本をばったんばったんしながら頑張ってしばらく読み続けるとすぐに頭に入って本の中にぐいぐい入り込んで行けたんだ。

でね、これを読み進んでことさら思ったことが日本の女子たちは小学生や中学生の頃からこんな物を読んでたってことなんだ!

あの何とも複雑怪奇で分かりにくい明日香時代だけど、これを読んだ女子たちはめちゃくちゃ詳しいってことなんだよね!

それに比べたら僕の知識なんかカスみたいなものだもんなぁ…(^^ゞ

日本大好きの僕としては『三国志』を読む暇があったら『天上の虹』を読め!って言いたいな。

って、里中さんが30年も書き続けてらっしゃるのに、今頃気がついた僕が何を言ってる!って笑ってやってください(^^ゞ

で、さっき読み終わった2巻の最後が額田王の歌で有名な蒲生野での宴会だった。

中大兄皇子と大海人皇子を両天秤にかけてた額田王(←今ではその程度の認識しか僕にはなかった)が蒲生野で詠んだ下の歌は超有名で僕も知ってた。

茜さす 紫野ゆき標野ゆき
   野守は見ずや 君が袖振る


地名なんか覚えてないし、ちゃんと覚えてたのは、頭の「茜さす」と最後の「君が袖振る」だけだったけど、この「君が袖振る」は印象的だった。

だけど、この歌を詠んだときの額田王の立場や苦しみなんかを全部分かってこの歌を知るとただのロマンチックな歌ってことだけじゃなくて命がけの歌でもあったことが分かるもんな。

明日香時代の倫理観、とりわけ皇室の人たちの倫理観なんか分かりようがないと思うけど、ちゃんと漫画に書いてくれるとなんだか分かって来るような気がするもんな。

こんな面白い漫画にして明日香時代を表現してくれるなんてめちゃ素的だと思った。

でもこれ、今の僕だから読めるんであって、妙にひねくれてた昔の僕には読めなかったに違いないと思うし、昔から読んでる人が羨ましいとも思うけど今出合えてよかったなんて思う(^^)

あっそうだ!2巻では大海人皇子(おおあまのみこ)と大田皇女(おおたのひめみこ)の2人の間に出来た子供、大伯皇女(おおくのひめみこ)と大津皇子(おおつのみこ)の姉弟も誕生したんだ。

つい最近に読んだ浅見光彦シリーズ『斉王の葬列』でも斉王になった大伯皇女のことは語られてたし、大津皇子のお墓には去年参ったもんな。

おなじみの人たちが登場してくると嬉しいな(^^♪

「大伯」が岡山の地名で「大津」が博多の地名でそれぞれ生まれた所だったってことも初めて知った。

大津は滋賀県の大津のことじゃないかと勝手に思ってたもんな。

だけど本当に良いよね!

先がどうなるのかを知りたくて興味が尽きなくて、どんどん読み進むだけで明日香の人たちの関係だけじゃなくてその人と成りや名前の由来とかも頭に入って行くんだもんね。

こんなの正史じゃなくてただの漫画だ!って言う人もいるかもしれないけど、正史だけの人物像で人気のある人なんかひとりもいないと僕は思うんよね。

特に人気者の坂本龍馬なんかは最たるもので司馬遼太郎さんの「竜馬が行く」の主人公「龍馬」の人気があるだけで、「竜馬が行く」がなければ、龍馬はちっとも特別でなくて幕末の有象無象の一人でしか無かったかも知れないもんね。

だって司馬さんは、はっきりと「龍馬を女性が惚れる男にしたかった」って言ってて、そのことに全力を傾けて書いたんだもんね。

それがいつのまにやら正史のようになっちゃうんだから、ようはその本がどれだけたくさんの人に読まれるかで、みんなの思う人物像って決まっちゃうんよ。

持統天皇だって天智天皇だって里中さんの書いた人物像で良いじゃん!

「大化の改新」なんか、最近の研究ではくそみそに言われてたりしてるし、里中さんって昔からとても素晴らしい歴史観を持ってた人だと思うよ!

っていうか僕が知らなかっただけで『天上の虹』の歴史観は今の歴史研究に少なからず影響を与えてるのかも知れないな(^_-)


坂本龍馬のことに触れたので、ついでに僕が思ってる龍馬像を書いておこうと思う。

龍馬ファンって、めちゃくちゃたくさん居てるだろうから、こんな事を書くと総スカンを食うかもしれないけどね(^^ゞ

龍馬って、体育は得意だけど勉強はからきし駄目のだいぶと不良の入ったワルガキって感じだったでしょう。

で、体育は得意だけど練習はしないんよね。

だから野球部に借り出されてホームランを打ったり、サッカー部に借り出されて決勝点を入れたりするんだけど本人はどうせ練習をしなくても自分が一番だから、好きなボート遊びばかりやってるんよ。

なんせ船が好きだから船乗りになるって夢だけはあったみたいだけどね。

だけど剣道は少し難しくてちったぁ練習したりして県の代表選手になって全国大会に行ったりするんだけど、1回戦や2回戦は楽勝で勝つんだけど、やっぱ練習不足でつかれてしまってたいして強くもないやつに負けてしまったりするんよ。

でも実力は日本一だと思ってる馬鹿なやつなんだ。

で、土佐は田舎で面白くないからって江戸に行って剣道を習うんよ。

そんな時に勝海舟に出会い、勝から、聞いた事も無い船の話や世界の海の話をたくさん聞いて勝が大好きになってしまい、その後はもう勝の子分になって勝の言うことは天の声みたいになっちゃったんだろうな。

で、勝もそんな龍馬が好きになってしまい、龍馬の事を明治になってから良いように良いように吹聴しまくったんだよね。

「薩長同盟」ったって、龍馬の名前が朱色で裏書してあったって意味分からないもんなぁ。

龍馬がやったんなら表に黒で書いておけばいいのに。

前にNHKでやった「薩長同盟」についての番組でも龍馬はただの使いッぱしりって事だったし…。

「船中八策」なんか龍馬が考えたなんて不自然極まりないもん!

「船中八策」も「亀山社中」も「海援隊」も勝の入れ知恵だと考えたらとってもすっきりするんだよな。

”会社を作る”みたいな幕臣の勝には出来ない事を、自由人の龍馬に託したのかも知れない。





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最終更新日  2009年02月28日 21時48分15秒
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