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2009年06月06日
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読むと損する長~い雑文なり!(いつもだけど(^^ゞ)


僕の一番好きな本。

それは、このあいだ読んだ永井路子さんの『茜さす』って本なんだ。

茜さす文庫

読み終わってから、即座に頭から再読したもんな。

でね、先のことはわからないけど、とにかく今一番好きな本なんだから”四六版のハードカバー本がもしもあるのなら欲しい!”って思ったんよ。

で、調べたんだけど、もう絶版本でメーカーにも在庫がなくて、ブックオフオンラインには中古があったけど、上下巻それぞれ1100円もして高いんよ(^_^;)

どうやら、この本、四六番はあんまり数が出なかったみたいで、値打ち本しかないみたいなんだ。

で、ネットショップの『日本の古本屋』に行ってみた。

ここは、日本中のたくさんの古本屋さんが加盟してて本をデータベース化してるという、すごいお店なんよ。

探してる本があったら、ここをのぞいてみたら在ると思うよ↓

http://www.kosho.or.jp/servlet/top

ここには、上下巻のセットが3セットあったので一番安い1500円のを買ったんよ。

で、今日届いたんだけど、あまりの美本にびっくりしてしまったんだ♪

2冊とも帯付き初版本で硫酸紙でカバーをしてあった。

茜さく四六版はじめて硫酸紙を外して写真に撮った。

この硫酸紙のカバーは本本体にではなくて本のカバーと帯を硫酸紙でくるむようになってたので、カバーと帯を傷めない事を目的にしてるようだ。

この古本屋さんは『日本の古本屋』に加盟してる東京神田の「けやき書店」って古本屋さんだったんだけど、とっても気に入ったよ。

初版本って事にはこだわらないけど帯に何て書いてあるのかは知りたいところだし、嬉しかった♪

でね、この『日本の古本屋』というところは、昔一度、車のパンフレットを探してたときに登録して買い物をしたんだけど、一週間ほど前に何年振りかに買い物をした。

その本が『壬申に翔ぶ』という本だったんだ。

壬申に翔ぶ

この本は玉城妙子さんというかたが書いてられる、びっくり本なんだ。

もっとも、届いて読んでみて、そのびっくりぶりに、ぶっ飛んでしまったってことなんだけどね。

この本にはねぇ、永井路子さんの『茜さす』の成り立ちの秘密が全部書いてあったんよ!(@_@)

この『壬申に翔ぶ』って本をどうして知ったかというとね…。

永井路子さんの『女帝の歴史を裏返す』って本の中の「持統天皇――栄光と悲劇を一身に」って題のお話があるんよ。

その中の「壬申の乱とは何か」って小題の文の中に玉城妙子さんというかたの『壬申に翔ぶ』という本の事を紹介されててね、それによると…、

永井さんは壬申の乱のコースを取材のために何度か歩いており、その際に一番お世話になったのが玉城妙子さんなのだそうだ。

玉城妙子さんは橿原考古学研究所におられたそうなんだけど、橿原考古学研究所の研究員の方々は壬申の乱のコース探究に熱心だったのだそうだ。

で、玉城さんは『壬申に翔ぶ』という本に、壬申の乱のコースの詳細を実際に踏破したときの模様をまじえて詳しくまとめられてるんだって。

こんな事を知ると、もう『壬申に翔ぶ』という本を読みたくてたまらなくなるよ。

だって『茜さす』を読んで感銘を受けた人なら誰でも壬申の乱のコースを歩きたいと思うもんね。

僕も、今年中には、せめて近江京から明日香までは歩きたいと思ってたもん!

だけど、実際のコース調べが大変だろうって思ってたんよ(^_^;)

一部の、ここは間違いないだろう!って思える部分には地図上にコースのラインを入れたりしてたけど、これ、全コースを調べることができるだろうか心配だったんだ。

そんな所にもってきて、こんな渡りに船のような『壬申に翔ぶ』なんて本の存在を知れば、何が何でも欲しくなったよ。

で、この玉城妙子さんの『壬申に翔ぶ』を探し回ったんだけど、どこにもなくて『日本の古本屋』のことを思い出して行ってみたんだ(^^♪

へっへぇ(^。^)

そしたらね、さすがは『日本の古本屋』!!

『壬申に翔ぶ』が5冊ほどあったんよね~!(^^♪

で、香川県の高松にある讃州堂書店さんってところで700円で売ってた『壬申に翔ぶ』を早速注文したのが夜中の12時過ぎだったと思うけど、朝の9時半ごろには

”在庫を確認したので本日中に発送します”ってメールが届きそのあくる日には届いてしまったんだ♪

ひゃぁ~!『日本の古本屋』おそるべしぃ~!(^_-)-☆

しかも帯付きで程度も良くて大満足したよ♪

送料の安いメール便を使ってくれるし、支払は郵便局の振替用紙を同封してくれてるので、後払いで良いんよ。

もう、本探しは100%『日本の古本屋』で良いか!って思っちゃったね(^^♪


で、早速、『壬申に翔ぶ』を読んでみたんだ。

いやぁ、その内容には本当にびっくりしてしまったよぉ…!(^_^;)

この本はね、玉城妙子さんの考える飛鳥時代を、その実際の発掘経験をまじえて細かに語ってられるんだ。

初めて、ただの観光客として明日香を訪れたときのお話から、明日香に留まって研究者となられてからのお話までね。

でねぇ、何をびっくりしたかって言うとね、この玉城妙子さんはね、永井さんの『茜さす』の主人公「なつみ」そのものだったんだよ!

しかもね、『茜さす』の登場人物に「なつみ」が憧れてる「園木冴子」というベテランの発掘員が居るんだけど、この「園木冴子」も、何年かしてベテランになってる玉城妙子さんなんよ!

永井さんは、よっぽど玉城妙子さんのことに魅力を感じたんだろうな。

だって、主人公と主人公の憧れの人という、この小説の核になる二人の人物の両方を玉城さんをモデルにして書いちゃってるんだもんね!

『茜さす』では、玉城さんの実体験を「なつみ」の体験としてとか「園木冴子」の体験として、何度も登場させるんよ。

まったく同じエピソードや台詞が何箇所にも登場して、その都度読んでてニマニマしてしまったよ(^。^)

なんせ小説で面白可笑しく読んだことの中にいっぱい実話がまざってたってのが楽しかったな♪

とりわけ面白かったのが、『茜さす』の感動的なラストシーンが、『壬申に翔ぶ』ではその先まで語られてるんよ。

『茜さす』のラストは、主人公の「なつみ」が50ccのミニバイクで壬申の乱のルートを走ろうと吉野を目指して、走り出すシーンなんだ。

その最後の文章↓

光の娘となったなつみの姿は、みるみる小さくなっていった。

これ、50ccのバイクで行けるかどうか、なつみは不安だけど、行くんよね。

『壬申に翔ぶ』でも、玉城さんは、「がんばってね」って何度も50ccのミニバイクを激励しながら、全行程(472キロ)を走破するんだ。

『壬申に翔ぶ』では、そのあとに面白いエピソードがある。

見事に走破したあと、玉城さんは橿原考古学研究所の友にその事を報告に行くんだけど、友はそのミニバイクの健闘を称え「壬申号」と命名してくれたんだってさ(^。^)

なんかねぇ、小説よりもドキュメントのほうが感動するんよねぇ(^。^)

で、そういった物語性の面白さをのぞいても、この本は資料としてもすごいんよ!

巻末には壬申の乱のコース地図が国土地理院の2万5千分の一の地図35枚も使ってルートを示してある。

そのコースの沿道にある遺跡も示し、その遺跡と壬申の乱との関わりも本文中で逐一、玉城さんの考えを述べてあるんだ。

そんなだから一度読んだだけでは、まだ細かいところの確認はほとんどできてないんだけどね。

巻末の<地名一覧>も優れ物で日本書紀の地名と対応した形で、いくつかの地名研究書の説とを並記して載せてある。


でね、文庫版『茜さす』のあとがきをあらためて見なおすと、執筆に当たって協力をしていただいた玉城妙子さんへの謝辞と”『壬申に翔ぶ』を出版されてる”事を書いてられる。

そうなんだけど、『壬申に翔ぶ』の最終ページを見ると『茜さす』の広告が載ってるんだ。

じゃぁ、どっちが先に出た本なんだと思って、今日届いた四六版『茜さす』のあとがきを見ると”『壬申に翔ぶ』”の部分が”私家版『壬申に翔ぶ』”になってたんだ。

「私家版」というのは、出版社ではなくて自費で出版したものなんだと思うんよ。

つまり四六版『茜さす』が刊行されてから、文庫版『茜さす』が刊行されるまでの間のタイミングで、今僕が手にしてる読売新聞社刊『壬申に翔ぶ』が刊行されたみたいなんだよな。

もし、そうだとしたら時系列にそって出版されたと考えられる順番に並べると

私家版『壬申に翔ぶ』

四六版『茜さす』 (私家版『壬申に翔ぶ』を紹介してる)

読売新聞社刊『壬申に翔ぶ』 (四六版『茜さす』の広告が載ってる)

文庫版『茜さす』 
(読売新聞社刊『壬申に翔ぶ』を紹介してる)


っと、こうなるみたいなんだよね。

むむむっ!こうなってみると私家版『壬申に翔ぶ』がどんな本かも見てみたいんよね。

ってゆうのが、四六版『壬申に翔ぶ』の巻末資料の国土地理院の地図に抜けがあるんよ(^_^;)

もしかしたらページ数の関係で重要度の低い地図がカットされてるなんてことがあるかも知れないもんんね。

でね、『日本の古本屋』で『壬申に翔ぶ』を再度検索したら、出版元が空欄で刊行年が四六版『茜さす』が出るより7年も前の本を一冊だけ見つけたんだ!

おそらく、この本が私家版『壬申に翔ぶ』に違いないと思うので、喜び勇んで、また注文しちゃったよ♪

この本が在ったのは石川県の古本屋さんで、価格は500円だし送料もメール便で160円だし、めちゃ嬉しい!

こんな安い買い物でも、昔だったら見つけることは不可能だっただろうし、この古本データベースの『日本の古本屋』の凄さを改めて思いしったよ!

昔は、本を探して古本屋さんをうろうろしたりしたもんだけど、そんなことも、もう、今は昔って感じだよな。

梅田や京都の古本屋さんをちょっと回るだけで電車賃は2000円ぐらいかかってしまうもんなぁ…。





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最終更新日  2009年06月07日 14時36分46秒
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