カテゴリ:劇
浅見光彦は『崇徳伝説殺人事件』を読んで以来、もう一生僕とは縁がないと思ってたんでけど、TBSの光彦は沢村一樹さんで好きな光彦だったし、『斎王の葬列』は好きな作品だったって事もあるし一応ビデオに撮ってたんよね。
斎王の葬列 で、やっぱり我慢出来ずに見てみたんよ。 見てみたら、酒井美紀さんと松原智恵子さんの母娘というキャスティングもとっても気に入ったし、沢村一樹さんの光彦は、とっても光彦してて相変わらず素晴らしかった!(^^♪ ”あぁあ…、『崇徳伝説殺人事件』さえこの世に存在しなければなぁ…”ってつくづく思うよ…(^_^;) でね、この『斎王の葬列』の「斎王」というのは、天皇の代わりに未婚の皇女が伊勢神宮にこしらえてある斎宮で過ごし巫女として伊勢神宮に奉仕するというしきたりで1300年ほど前からで650年ほど続いたっていう古いしきたりなんだ。 だから、「斎王」のしきたりが無くなってから、もう650年ほどたってるわけで、その実際のことはあんまり伝わってないんだそうだ。 その斎王が、斎王として伊勢に赴任して行くのには何日もかかるために途中で何泊もするので、その宿泊所を「頓宮」と言うんよ。 で、この『斎王の葬列』では、滋賀県甲賀市(旧甲賀郡土山町←内田康夫さんの本ではこうなってる)にある「垂水頓宮」が「御古址(おこし)の森」という名称で出て来る。 ここが、この『斎王の葬列』という物語のメイン舞台なんだよね! 34年前の事件から、光彦がこの地を訪れてるときにおこる事件も、ここで起こったりするわけで何度も何度も出たきた。 ちょっとネットで写真を探してきた。 ここには垂水頓宮の石碑と社があって、この前でのロケがやたらとあった。 やっぱ、本と違って、実際の場所をふんだんに見れてテレビは良いなぁ!って思ったな(^^♪ でね、この小さい社に目がとまって何度も繰り返して見てしまったんよ。 この社、めちゃくちゃちっちゃいけど、ちゃんと神明造の社殿になってるんよ! って、偉そうな事を書いたけど「神明造」なんて神社建築の様式を知ったのは、つい二、三日前のことなんだけどね(^^ゞ 実は、今いつもかばんに入れて持ち歩いてる本が、最近買った『古建築の見方・楽しみ方』って本なんよね。 ↑この本なんだけど、楽天では売り切れだった(^_^;) 僕は古本屋さんで安かったので、つい買っちゃった本なんだけどとっても面白いんよ! 本の書きだしは神様のお話で、この国の最初の神様の「天之御中主神」「高御産巣日神」「神産巣日神」の三柱の神様から初代天皇の神武天皇までの神様の系譜を懇切丁寧に、非常に分かりやすく面白く語ってくれてる。 記紀に書いてある事を、まとめてあるんだけっちゃぁそうなんだけど、記紀による違いなんかもとっても分かりやすかったな(^^♪ その次に神社建築の事を図入りで細かに解説してあるんだ。 そこの最初に出て来るのが神明造で、伊勢神宮に代表されるとても古い神社の建築様式なんよね。 屋根の端に、屋根の傾斜を延長するような方向に板棒が伸びてるでしょ。 あれ、千木(ちぎ)と言うんだって。 それと屋根の上には丸太みたいなのがいくつか乗ってる。 これは堅魚木(かつおぎ)という名前がついてて、鰹節に似てるからそう呼ぶんだって(^。^) 鰹節には見えないよね! もしかしたら昔は本物の鰹節を乗せてて猫が群がってたのかも、なんて考えたら可笑しい!(^。^) うちのくまみたいに鰹節の匂いだけで発狂してしまうような猫だったら、神社のてっぺんでも必ず登りきるに違いないもん(^^ゞ で、神明造の特徴は千木と堅魚木以外は、切妻造りで平入りなんだ。 つまり屋根の両サイドを断ち切った形になってて、屋根のある側が正面になってる。 あとは、千木の先のカットの方向が水平方向になってる。 もうひとつの神社の建築様式の代表格の大社造のほうは、正面は切妻方向だし千木の先端のカットは垂直方向だし一目で違いが分かるんだ! で、この「垂水頓宮」は伊勢神宮の遥拝所なんだって! 遠くこの場所から伊勢神宮を参拝するって場所なんよね。 で、伊勢神宮を遥拝するといえば、壬申の乱のときに大海人皇子が吉野から東に向かって出発して途中で伊勢神宮を遥拝したっ事を思い出すんよ。 気になって『天上の虹』を繰ってみた。 「第16章壬申の乱3」に出て来るのを見つけたよ。 このシーン、大海人皇子が、すっぽんぽんで迹太(とお)川で禊ぎをして伊勢神宮に向かい天照大神に戦勝祈願をするんよ。 このシーンは大海人ファンには、サービスショットだなぁ!"^_^" この迹太川の遥拝場所も調べてみた。 天武天皇迹太川御遥拝所跡 指定種別 県史跡 指定日 1941(S16)年5月21日 所在地 四日市市大矢知町1714番地 所有者 大矢知斎宮自治会 ってのが今も存在するらしい。 実は僕は遥拝所という言葉すら初めて聞いたので、こういった場所があちこちにあることも初めて知ったよ。 天武天皇の迹太川御遥拝についての日本書紀の記述部分を書いておくね。 「巻二十八 天武天皇 上 挙兵決意」の中に詳しく書いてある。 もうひとつ、このドラマの中でロケ地に使われてたところで気になるところがあったんだ。 光彦が松原智恵子さんと酒井美紀さんから話を聞くだけのシーンなんだけど、めっちゃ感じの良いところなんだけど神社か寺かも分からないし、調べまくってようやく分かった。 油日神社(あぶらひじんじゃ)ってマイナーなところなんだけど、テレビを見て行ってみたいって思ったよ。 これ↓ 住所:滋賀県甲賀市甲賀町油日1042 この写真の右下の石の影からカメラのフレームが左に水平移動すると楼門の手前で光彦が楼門を見上げてる後ろ姿が映るんよ! この茅葺きの楼門、なんかすごい存在感でしょ! どこだ!ここっ?!って思ってしまって劇が中々耳に入ってこなかったよ(^^ゞ 浅見光彦の本はもうこりごりだけど、映像はこれからも見ようって思うようになった。 なんたってロケ地が素晴らしいもんね。 ただの旅情ミステリーと違って、歴史がからんで来る分ロケ地も僕好みのところが多いからなぁ! 大金をかけて、こんなのを作ってくれてるのに見ないのはもったいないって思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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