テーマ:本のある暮らし(3286)
カテゴリ:本
化生の海 なんかねぇ、「地方記者立花陽介」をNHKの大河ドラマで1年間見たみたいな深い印象とボリューム感のある本やったな…。 なにも「地方記者立花陽介」なんか持ちださなくても「浅見光彦シリーズ」って言やぁいいやんか!って言われそうやけど、これが「地方記者立花陽介」やねんなぁ(^_-)-☆ 言葉で表現しにくいんだけど、「地方記者立花陽介」が好きで『化生の海』を読んだ人にだけは分かってもらえると思う…。 たった一つの古ぼけた土人形から光彦がたどりつく半世紀も前の驚くべき真相! 面白かったなぁ…。 ホンマ、超面白かったわ!! ほんとに大河ドラマにして欲しいって感じ! 逆に言えば、絶対に2時間ドラマなんかにはしてほしくないな。 っていうか、ドラマなんかはいいから、この本、光彦好きなら読まなきゃ損な本だと思う。 しかしまぁ、この本では、光彦、走る、走る! ソアラを駆って北海道から九州までやもんな! 光彦、走り過ぎやわ! 僕かて、ラングレーを駆って北は福島から南は宮崎まで走ったことがあるけど、いっぺんにそんなに走らへんもんな。 でね、この本、書き出しが素敵なんよ。 素敵っていうか、今の季節に読むと気持ちが良い(^^♪ ちょっと載せるね↓ 第一章 余市川(よいちがわ) 1 シベリアの高気圧が寒気を運んできたのか、けさは急に冷え込んだ。十一月中旬としては珍しい川霧が立ちのぼって、川岸のアカシヤの森を妖しく覆う。 園子はこの季節の余市川が大好きだ。街を出はずれたところにある鮎見橋は、通る車もめったになく、谷の奥から川の瀬に乗って降りてくる、森の霊気に全身を包まれるような感覚がたまらない。 (2003年11月20日 発行 新潮社版 四六判ハードカバー初版本より) わぁ、なんだか感じが良いから、どんどん書きそうになってしまったよ(^^ゞ なんせ、毎日猛暑日で暑くて暑くてたまらないと思ったら、台風が近づいてムォ~ン!ってムシムシしてくるしやってらんないところに「シベリアの寒気でけさは冷え込む」なんてのは読んでて気持ち良いもん♪ ネットで見つけた鮎見橋↓ 写真の奥のほうが上流で、向こうの山の方から森の霊気がおりて来るんだろうね。 主人公が園子ってのが良い♪ 白線フリークの僕としては、園子っていえば『白線流し』の主人公”七倉園子”を嫌でも思いだしてしまうもんな。 余談だけど、長野県松本市役所の裏にある七倉園子の実家である七倉医院の建物は今年取り壊されてしまったらしい(^_^;) 白線ファンにとっては悲しい事だけど、園子と渉が出会ったあの夏から、もう15年もたつんだから仕方ないわな…(-_-;) で、そんな余談はいいとして、この『化生の海』の書きだしに出てくる余市川のある北海道余市郡余市町というところが、『化生の海』の物語のキモになる場所なんだ。 この余市町という町はニッカウヰスキーの工場のあるところでも有名なんよね。 この物語の主人公の園子も、このニッカウヰスキーの工場で見学者の案内係の仕事をしてる。 光彦と園子のファーストコンタクトも、このニッカウヰスキーの工場で、浅見光彦シリーズの中でも、グッドなファーストコンタクトだっと思うな(^^♪ しかしまぁ、今はグーグル・ストリートビューで見える道も増えちゃって、余市に行ってみたらニッカウヰスキーの駐車場にまで行けてしまったよ♪ もちろん鮎見橋の上からの風景も見れたし、本を読んでて気になる場所を見ることが出来るのが良いね。 特に光彦はソアラで道路上を移動するわけだから、逐一ストリートビューでチェックできるのがありがたいな。 でも、あれだね、ウヰスキーといえばサントリーとニッカが有名だけど、余市にあるニッカって良いよなぁ。 サントリーのある所って”京都郊外山崎”って言うじゃない。 京都郊外って、なんか北の方の田舎ってイメージがあるでしょ。 だって 東は滋賀県大津市があって琵琶湖があるし 南は久御山とか宇治とか平地が続いてるし 西は亀山に繋がってて、先に田舎の空気と水がある感じがしないじゃない! ところが”京都郊外山崎”ってのは、田舎の北方向じゃぁなくて京都から南西方向、一番田舎とは違う方向で、もろ大阪なんよ! 詳しい住所は大阪府三島郡島本町山崎なんだ。 ”京都郊外山崎”ってっから、京都府乙訓郡大山崎町だと思ってはる人も居るだろうけど、大阪なんだな、これが! それをCMでは、ごまかして”京都郊外山崎”なんて言うんだから、ニッカの余市町に負けてるって気持ちがあるのかも知れないな。 って、また余談をしてしまった(^^ゞ で、この余市郡余市町という地名と場所を僕は以前から知ってたんだ。 北海道には以前31市70郡、市郡合わせて101の市郡名があったんよね。 いつも地図で、この101の市郡をチェックしてた事がある。 アマチュア無線をやってた時に北海道の全市全郡のアマチュア無線局と交信する事ってのは気の遠くなるような大変な事で、積丹半島の先の余市って場所もよく地図を見て知ってた。 何年かして北海道全市全郡交信を達成し、そのQSLカード(交信証明書)も整理してしまってあるので引っ張り出してきた。 余市郡余市町のカードは、ちょっと素敵なカードだったので載せるね↓ でね、この余市という場所の事を思った事で、僕、気がついたんだけど、日本の大まかな地理でも知ってなかったら、浅見光彦シリーズみたいな旅情サスペンスを楽しめないんじゃないかって事なんだ。 日本地図上で、どこになるのか知らなかったら、いくら文章で300キロとか1000キロとか、光彦の移動距離が書いてあっても実感できないでしょ。 昔、日本の地理についての知識が全然ない人に出会ったときにはビックリしてしまったんだけど、その後、かなり沢山の人が、全然分かってない事を認識してからは、日本の都道府県の場所を知らない人がたくさん居る事も当たり前の事として受け入れるようになった。 だけど、よく考えたら、そういう人たちには、浅見光彦シリーズを実感して読めないもんな。 特に『化生の海』みたいに日本列島をまたにかけるような物語を、そういった人たちは、どういう風に読むんだろう?って思ってしまった。 元々地図は好きだったけど、アマチュア無線で日本にある約1200市郡の全てと交信する事を目的に頑張った数年のうちに飛躍的に日本地理の知識が増した僕って、それ、無駄やなかったって思う。 全く知らない所ってないもんな。 だけど、なんだ、地理と歴史は知ってるほうが、より人生を楽しめるって事だけは確かだと思う。 だけど、勉強するってのは大っ嫌いな僕だから、地理も歴史も好きな事をやってるなかで覚えていけた事はラッキーだったと思う。 浅見光彦シリーズの最新読書メモを書いておこうっと。 『琥珀の道殺人事件』 やっぱ、ときどき昔の作品を読むのも良いなぁって思った。 最近の作品に比べたら軽いんだけど、それだけ気軽に読めるもんな。 光彦若い! って、光彦はいつも33歳なんだけどね(^^ゞ 『十三の冥府』 これは、えげつない話やったよ。 お遍路さんが出てきたり、古きミステリーの香りもしたんだけど、光彦が最後に指折り数えた十三の意味がえげつなすぎるよな。 『ユタが愛した探偵』 光彦もとうとう年貢の納め時かってほど、きわどい濡れ場があってドキドキしたな。 だけど、飛行機嫌いの光彦も、さすがに沖縄はソアラでは行けなかったな(^^ゞ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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