テーマ:本のある暮らし(3285)
カテゴリ:本
いやぁ…、やっぱ浅見光彦には癒されるわぁ。 殺人事件が出てくるミステリーを読んで癒されるなんて言うのもアホみたいやけど、癒されるって感じたんやもんしゃぁない(^^ゞ なんせ、ひとつ前に読んだ本が、誉田哲也さんの『アクセス』っちゅう本で、なんとまぁサイバースペースの物語を僕が読むという考えられへん事態になってもうたからなぁ…。 しやけど、本という物は、自分がどんな世界に連れて行かれるのかが分からへんから読む楽しみがあるわけで、サイバースペースに連れて行かれてもしゃぁないねんけど、びっくりしてもたわ。 その前には、やっぱ誉田哲也さんの「姫川玲子シリーズ」や「ジウ三部作」を読んだわけで、読んでる人には分かるやろうけど、僕の精神はくたびれてたっちゅうか結構ささくれだってたと思う。 だって、浅見光彦シリーズの、あのゆっくりした方言での台詞によって物語が進行して行くってのが、心に優しいねん(^^♪ 心の声よりも、生の方言の声がストーリーを語ってくれるって”おばぁちゃんの昔話”みたいな暖かみがあるやん♪ っちゅうのがね、この『黄泉(よみ)から来た女』の主舞台が京都府宮津市の「天橋立(あまのはしだて)」と、山形県鶴岡市やねんね。 しやから、おのずと、言葉も、光彦以外の登場人物は、京都弁という上品な関西弁と、それと東北弁の山形弁という、柔らかい方言しか出てけぇへんねんね(^^♪ 癒されるわぁ♪ こうやって誉田さんの本をいっぱい読んでから、『黄泉から来た女』を読むと、標準語というか東京の言葉というか、普通の日本語って冷たい感じがして血が通ってない気がするねんけど、それっておかしな感覚やねんやろか? それとね、ほとんどの光彦シリーズには光彦と良い感じになるヒロインが登場するんだけど、『黄泉から来た女』のヒロイン神代静香(じんだいしずか)の家は、神代(かみよ)の昔から籠(この)神社に奉仕する家の娘さんなんだ。 籠神社というのは丹後国一宮で、元伊勢と言われてるんだ。 元伊勢というのは、前にも何回か書いた事があるんだけど、元々宮中に祀られていた天照大神(あまてらすおおみかみ)を宮外に祀るために、倭姫(やまとひめ)がその場所をあっちゃこっちゃ探して最後に行きついたところが伊勢の斎宮やったっちゅう、そのあっちゃこっちゃにこしらえた社のことで、この籠神社が一番の正当性のある元伊勢らしい。 ちなみに僕の机に向かって左手の障子、つまり椅子に座った状態での左方向、目の前30センチぐらいのところに「中世諸国一宮地図」という絵地図をセロテープでとめてる。 これ↓ 近畿地区は一宮の数が多いので左上に別枠になってて「籠神社」は、その一番上に印してあった。 なんせ丹後半島の付け根って場所やから近畿の一番北になる。 上の別枠のその中の一番上だから、地図全体で一番上という目立つ場所やのに、この本を読むまで籠神社の事を僕は知らなかった。 一宮なのに、しかも近畿なのに知らなかった。 籠神社って意表をつかれたなぁ。 この地図は、せんぞ見てたのになぁ。 くそぉ…(^_^;) しかも、籠神社は天橋立の直近の神社で、天橋立そのものが籠神社の参道でもあるんだって! 天橋立は日本三景のひとつやし、こういった事は、多分日本の常識で、僕が知らなかっただけやと思う…。 やっぱ、そういった、今まで知らなかった常識を教えてくれるっちゅう本は良いよな。 今、こんな事を言ってもしゃぁないんやけど、サイバースペースの物語なんかは、死ぬまで読まんとこっと。 でぇ、『黄泉から来た女』には、この籠神社も、籠神社の宮司さんも登場する。 で、籠神社の宮司さんの名前が海部光彦(あまべみつひこ)って言うねんね。 そっ!浅見光彦とおんなじ光彦やねん! でね、ネットで調べたら、籠神社の宮司さんは、ほんまに海部光彦さんてお名前で有名人やった! 実在してはるねんから「さん」をつけやな失礼やけど、3行上では、まだ、僕、小説内の架空の人物やと思うてから「さん」をつけへんかったわけ(^_^;) しやけど名前が浅見光彦とおなじ「光彦」である事から、「光彦」という名前がどれだけイイ名前であるかって事を、籠神社宮司海部光彦氏が浅見光彦に長々と語るシーンなんかオモロイし、まさか実在の人物やとは思えへんかったわ(^^ゞ でね、その海部光彦氏が本の中で語っていた、その籠神社代々の宮司、海部家の神代の昔からの家系図が今も籠神社に残ってて、国宝なんだって!!! で、この事もネット調べたら事実やった!! しやけど、ただ、癒されるだけやのうて、好きな神社のお話がふんだんに盛り込まれてたり「神」そのものがキーワードやったり…、内田先生、ええ本書いてくれはったわ(^^♪ 最近、若い作家さんたちのパワーに圧倒されて読み漁ってたって感じあがあるんやけど、なんか精神が荒廃するような危険性のある本は読まんとこって気になったなぁ。 あっ、ちなみに、この『黄泉から来た女』のおくつけを見ると 「2011年7月30日 発行」 って、なってるから、出版されたところやし、今読んだら、かなり早いほうの読者になれると思うよ(^_-)-☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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