テーマ:本のある暮らし(3286)
カテゴリ:本
あのさぁ、僕、まったく意味が分からなくてね、ネット内をうろうろうろうろ答えを求めてうろついたけど分からなかった。 あのね、この道尾秀介さんの本『月の恋人 ~Moon Lovers~』が出来た経緯については、この本のあとがきに道尾さん自身が書いておられる。 ここは、勢いで書きたいけど、事実を歪めたらあかんと思うから原文から引用するね。 ” あとがき 僕が以前に新潮社で書いた小説を読んで、フジテレビの後藤博幸プロデューサーは、「この人、映像業界の人間にできないことができるのではないか」なんて思ってくれたそうです。。ありがたいことです。そして後藤さんは新潮社経由で僕に声をかけてくれ、今回の企画がスタートしました。 小説家が書き下ろしでストーリーを作り、それをもとに連ドラを制作、そのドラマの放映とほぼ同時期に原作本を刊行する――などという話をそれまで聞いたことがなかったので、じつは「大丈夫かよ」と思っておったのですが、どうにかうまくいってくれたようでホッとしております。 舞台となる場所、登場人物や、彼らの背景にあるもの、あるいはストーリー自体に対してテレビ局側からの様々な希望や制約があり、なかなか大変な仕事ではありましたが、この小説はそういったものがなければ絶対に生れてこなかったでしょう。” 新潮社 道尾秀介著『月の恋人 ~Moon Lovers~』 あとがきより この、あとがき読んで、ほんま僕、びっくりしちゃってねぇ! ”わぁい!これ、ドラマ化されたんだ!” ”しかもドラマ用に原作を書いただなんて、ノベライズ並に本と映像が一致し、ノベライズのあの味も素っ気もない無味乾燥な文体ではく、奇才、道尾秀介氏の文体で小説になってるなんて、こんなに素晴らしい事が2010年には起こっていたんだ!!!(^_-)-☆” なんて事に、僕は有頂天になってしまって、DVDを借りに行くのももどかしくパンドラテレビで、すぐに1回目を見だした。 ”………………………………” ”………………………………” ”意味わからんし……” ”どうして、道尾さんはフジテレビに対して訴訟を起こさなかったんだろう?” ”ストーリーが変わってるとか、シチュエーションが変わってるとかのレベルじゃないし…” あのね『月の恋人 ~Moon Lovers~』って本はね、玩具屋の事務員―弥生―って女の子が主人公なんだ。 そりゃぁ、そうは読まない人もいるかも知れないけど…、 この本の中でグッと来るのは ・弥生と大企業の社長蓮介の中学生みたいな、ちょっといらいらするぐらいのピュアな恋愛であり ・弥生と中国人美女シュウメイとのぎこちない友情やんかぁ 三つ目を書こうと考えたけど、グッとくるとこは、全部上に書いた二つがらみやし…。 そんな訳で、この本は弥生が主人公で、シュウメイと蓮介を含めて3人の物語ともいえるけど、主人公は弥生やし。 でぇ、弥生弥生とうるさく書くのはね、ドラマに弥生は出て来ないんだ。 弥生に相当する人物もいない。 つまり本の主人公が存在せえへんねん。 いったい、何が起こったの? 大人の事情? スポンサーかプロデューサーが、どうしても弥生が嫌いやったん? こんなん、完全にプロジェクトは破綻してるし、道尾さんが原作者名としてクレジットされる事を了承した事も意味が分からないし。 ネットを駆けずり回ったけど、だれも裏事情を語ってないんよ。 僕は、どうしても気になる。 どうして、この本をそのまま映像にしなかったの? 道尾さんはフジテレビからの様々な要望にこたえるのが大変やったって書いてるやん。 にもかかわらず道尾さん、めっちゃ良い本書いたやんか! 僕、この本読んで、とっても映像的だと思ったし、めちゃ素敵やったのに! 高名な作家がテレビドラマのために小説を書下ろし、ドラマの放映にあわせて発売するという、初めての試みが、こんな詐欺やなんて、2010年に、こんなえげつない事が起こってたんやね。 知らんかったわ。 あぁあ、パンドラテレビで 1回目を見るのん楽しみやったなぁ。 弥生をだれが、やってるんやろ? 「おんちゃん」って飲み屋はどんなんやろ。 クライマックスの富良野のメロン畑での弥生と蓮介はどんな綺麗な絵になってるんやろ? 線香花火はどんないきれいに撮ってるんやろ? 弥生とシュウメイの仲見世散歩は、どれだけ楽しい絵になってるんやろ? まぁ、ドラマのフジさんの事やし、道尾さんが、あんなに楽しそうに書いてるんやから再現してくれるやろ? なんて、様々な楽しみがあったのに、残念ながら弥生は、ドラマの物語の中に存在してませんでした。 だから、当然、情けない弥生の同居人の弟も7年付き合って別れた元彼も、おもちゃ屋の年下の先輩に惚れられてるくだりや、北海道料理を出す小料理屋「おんちゃん」も存在しないんだと思う。 僕、ドラマは弥生が存在しない事が分かって1秒も見続ける根気があれへんで2回目の途中までしか見てないけど弥生がらみの人も場所も出て来ないて、やっぱ、それは違う話やし、道尾さん原作のクレジットはあかんと思う。 だって、おんちゃんを蓮介が探して見つけるくだりや、おんちゃんの巨大おにぎりが、この本に、ニコってさす場所を作ってくれたし、おんちゃんは要るやろう。 あっ!ほんでねぇ、この『月の恋人 ~Moon Lovers~』をよけいにことさらショックに思う」のは、今テレ朝でやってる「ジウ」のせいもあるんよ。 あのドラマ、めちゃくちゃ原作に忠実にドラマ化してる。 僕は、ブログにも書いたけど「ジウ」のドラマ化なんか、いろんな意味で不可能だろうから全然違う話になるだろうと思って見ようと覚悟してたのに、さすがテレ朝、ちゃんとまじめにドラマにしてる。 その事をすごく感心しただけに『月の恋人 ~Moon Lovers~』が意味不明。 テレビ局からたくさん注文を出されてドラマ原作を描き下ろしたら、出演者の4~5人の役名が同じだというだけで何から何まで違う話やて、考えられへんわ。 この本、読後感が爽やかで、とてみ良い気分やってんよ♪ 信じれる? 道尾秀介さんの本を何冊か読んではる人やったら、 「嘘っ!!」って思うでしょ。 そうなんよ、あの道尾さんの本やのに、とっても気分の良い読後感やってん。 って、僕もまだ、道尾さんの本は『向日葵の咲かない夏』と『月と蟹』を読んでるだけやから3冊目なんやけど、道尾さんの本は読んだあと「ドヨン」とするものだろうと決めかけてたからびっくりした。 ドラマはともかく、道尾秀介さんの本『月の恋人 ~Moon Lovers~』は、とっても、ほのぼの出来て、素敵なハッピーエンドの物語でした(^_-)-☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[本] カテゴリの最新記事
|
|