テーマ:本のある暮らし(3313)
カテゴリ:本
この本ねぇ、めっちゃ素敵で感動したんやけど、ネタバレ無しで書こうとしたら、筆が進まなくて、ネタバレ有りで書いてもたら、これを読んだ人はこの素敵な物語を楽しめなくなるわけで、そんなんで、読み終わってから随分たつけど書けてなかってんね。 で、どうしたもんかと書き始めたんだけど、やっぱ、この本をダイナシにしてまうわけにはいかへんのでネタバレ無しにしようかなぁ…。 最初のほうの導入部ぐらいは書いてもエエか…。 主人公の朝美は映画雑誌の編集の仕事をしてるんだけど、突然伯母(母の妹)の冬子さんがクモ膜下出血で亡くなる所から物語は始まる。 朝美の母は、朝美がまだ一歳の頃に亡くなっており、朝美にとっては母親代わりのような存在の冬子さんだった。 独身の冬子さんにとって朝美父娘が一番近しい親戚であったりする事もあって、冬子さんの遺品の整理を朝美がする事になる。 この冬子って伯母さんが、めっちゃ魅力的な人物なんよ。 冬子さんは新聞社に勤めてて、倒れたときには新聞社から何十人もの仕事仲間が病院に駆けつけたりしてる事なんかから、彼女がいかに慕われていた人物かが分かる。 なんせ、死んだあとから物語が始まるんだから朝美の回想でしか冬子さんの事は分からないって、仕組みになってる。 だけどね、この本の本当の物語は、朝美が片付けに行った冬子さんのマンションで見つけた、冬子さんの30年前の日記の中の物語なんだ。 30年前の冬子さんが高校生だった時の物語! そして、もう一つの物語は、映画雑誌の編集の仕事をしてる現在の朝美の物語! で、その二つの物語が交互に語られて行く。 けっこう分厚い本でね、文庫本で500ページある。 途中、ちょっとめんどくさい所もあった。 それは朝美の現在の物語の部分でね、僕は30年前の冬子さんの物語の先行きが気になってしかたがないから、現在の朝美の物語がめんどくさくて、早く30年前の冬子さんの物語になってくれぇ~!なんて思って、少しイライラして読んでた。 だけどね、この本、読み終わってみたら、このイライラの部分が一番重要な意味を持ってたんだ! くっそぉ~(^_^;) やられてもた…。 凄いよな! 小説家って…。 こんな話を作るなんて。 それにしても、なんやろね! この五十嵐貴久さんって人…。 ほんまにもぉ~、僕の気持をもてあそびやがって、僕はまんまとはめられて、感動の嵐にぼろぼろにさせられてもたわ!(^。^) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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