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2012年06月17日
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【送料無料】入らずの森

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価格:700円(税込、送料別)


 めちゃくちゃ面白かった!

 僕の、今年ナンバーワンの面白本になるかも知れへん!

 この宇佐美さんって人の名前はこの日、この古本屋さんで売ってたこの本で初めて見た名前で、本のタイトルも初めて聞いた。

 文庫本だったから裏に、どんな話しか書いてあるでしょ。

 それを読んで、面白そうと思い買った。

 僕は、本を買うとすぐにカバーを外してしまい裸本にして読む。

 そんなだから、カバーの裏に書いてある作者の略歴とか、帯に書いてあるいろんな情報は本屋さんで見たあとは、もう目にすることがないままに読むことがほとんどやねんね。

 でぇ、この本『入らずの森』を読みだして、

”なんやねん、この本!”

”滅茶苦茶、上手な小説やん!”

”この手練れた小説の書き方って…。”

”この宇佐美さんて人、何者やろ?”

”きっと、何百冊も著作があるに違いない!”

 なんて思った。

 読んでる途中に「宇佐美まこと」って人の事が気になったけど、なんか読み終わるまでは謎のままにしておきたくて、読み終わるまで検索を我慢した。

 で、読み終わってウィキペディアを除いたら、なんともはや、ほとんど情報が無かった!

 これがウィキペディアの「宇佐美まこと」の項の全文だよ↓

宇佐美 まこと(うさみ まこと 1957年- )は、愛媛県生まれの日本の小説家。

2007年「るんびにの子供」でメディアファクトリー主催第1回『幽』怪談文学賞短編部門大賞を受賞する。 同年、受賞作を表題作とした単行本『るんびにの子供』でデビュー。

地方都市で主婦として生きてきた経験を生かした、人間の負の側面を怪談へと導く作風が特徴。淡々とした筆致ながら、市井の人々に潜む暗い情念を書かせると一流で、鬼気迫る迫力がある。

著作 [編集]
るんびにの子供(幽ブックス)
虹色の童話 (幽ブックス)
入らずの森 (祥伝社)

作品 [編集]
『幽』vol.10 書き下ろし競作 怪しき我が家『犬嫌い』
『小説すばる』2008年7月号『満月の街』

エッセイ [編集]
『小説すばる』2008年6月号 Oh! マイアイドル『男として生き、女として愛される』


 なんとまぁ、この『入らずの森』、まだ三冊目の本だし長編小説としては二冊目やん!

 それと、男の作家さんやと勝手に思ってたけど、この人、愛媛県の主婦みたいやし!(@_@)

 ってか、出身が愛媛だということと地方都市で主婦として生きてきた人だって情報しかなくて、ほんとの事はよく分からへんねんけどね(^^ゞ

 
 しやけどまぁ、凄い本を書く人が居てるもんやわ。

 舞台は愛媛県の山あい、高知県との県境いにも近い山村で、平家の落人伝説があるようなそんな所。

 そんな所が舞台やし、おどろおどろしい話しを想像するかも知れないけど、そんな事もないねんね。

 本のカバーの裏にはこんな風に書いてある↓

”本作は、四国の山間を舞台に、人間の狂気と再生を描く、ジグソーパズルの如き読み応えも秀逸なダークファンタジーの傑作!”

 ダークファンタジーというようなジャンルがあるのを僕は知らなかったけど、そりゃまぁダークっちゃぁダークだけど、ファンタジーでええのんとちゃうかと僕は思う。

 あっ、でも、やっぱりダークかなぁ…(^_^;)

 ジグソーパズルのよう、というのはよく分かる!

 見事に緻密に構築されたパズルのような出来栄えの本やった。

 そういうのって気持ち良いんよね。

 サスペンスの伏線とかってのと違ってね、一つ一つの事柄がみんな他の事柄と意味を持って繋がってるってのが気持ち良い!

 それはおばぁちゃんと孫の間であったり、80年も前の事件とか、はては800年も前の事すらも現在とジグソーパズルのピースのように、きっちり繋がってるとか…。

 ほんま、この本、想像を絶する物語やったって思う。

 
 この本の小説としての出来栄えが超一級品だと僕が感じたのには、ひとつ理由があってね、

 この本の直前に読み掛けて、読むのをやめて捨ててしまった本があってね、その本の作者は、本屋さんでも古本屋さんでも置いてる作品タイトルの多さだと一番か二番という超人気作家で、テレビの2時間ドラマの数も一番だと思うその作家の本を初めて読もうとしたんだけど、その余りにも酷い小説具合に、とても読み続けることが出来なかったんだ(>_<)

 もしかしたら、僕が小説読みのスランプに陥ったのかと思ったりしたけど、その直後にこの宇佐美まことさんの『入らずの森』という素敵な本に出会えて、ちゃんとした本はちゃんと読めることが分かって安心した(^_-)-☆


 あっ、ファンタジーなんてジャンル分けをしてるから、何かおとぎ話みたいな、けったいな物語を想像しはるかも知れへんけど、けっこう、この本、ファンタジーというよりはSFよりとちゃうかと思うぐらいに論理的やねん。

 どう説明したら分かりやすいか分からんねんけど、巻末の「参考文献」の一覧を見たら、少しは想像つくと思う↓

   
   参考文献
『愛媛の校歌』 土井中照 アトラス出版
『柳田国男・南方熊楠往復書簡集』 飯倉照平編 平凡社
『南方熊楠文集』 岩村忍編 平凡社
『南方熊楠・土宜法竜往復書簡』 飯倉照平 長谷川興蔵編 八坂書房
『南方熊楠随筆集』 益田勝実編 筑摩書房
『南方熊楠書簡抄―宮武省三苑―』 笠井清編 吉川弘文館
『幻の漂泊民・サンカ』 沖浦和光 文藝春秋
『粘菌―驚くべき生命力の謎―』 松本淳 伊沢正名 誠文堂新光社
『森の魔術師たち 変形菌の華麗な世界』 萩原博光 伊沢正名 朝日新聞社
『細胞性粘菌のサバイバル』 漆原秀 サイエンス社
『アメーバー―生命の原形を探る―』 太田次郎 日本放送出版協会
『胎児の世界 人類の生命記憶』 三木成夫 中央公論社
『虫こぶ入門』 薄葉重 八坂書房
『ボクは炭焼き職人になった』 原伸介 新風舎
『津山三十人殺し』 筑波昭 新潮社
『ブナ林からの贈りもの』 熊谷榧 世界文化社
『石鎚山系自然観察入門』 森川國康 愛媛文化振興財団
『愛媛県の山村』 藤原重則 愛媛文化双書刊行会
『百姓になりたい!』 今関知良 飛鳥新書
『週末の手植え稲つくり』 横田不二子 農山漁村文化協会
『日本列島なぞなぞふしぎ旅』 山本鉱太郎 新人物往来社

 南方熊楠(みなかたくまぐす)関連の参考文献が多いでしょ。

 南方熊楠って、和歌山県の山奥、熊野の植物の研究をしてはった世界的に業績のあった人やねんね。

 ちょうど、つい、この間、NHKの歴史ヒストリアで熊野をやった時に南方熊楠とその妻の事をやってたので見はった人も多いと思う。

 僕かて、歴史ヒストリアで南方熊楠の事を詳しく聞いたところに、この本に熊楠がめっちゃ重要は役で出て来たものだから嬉しくなってしまった(^^♪





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最終更新日  2012年06月17日 22時25分49秒
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