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カテゴリ:おいしいもののおはなし
今のお店で働き始めて約1年。
お菓子屋さんでの職場経験はゼロだったし、 もちろん製菓学校に通ったこともなし。 頼りになるのは趣味で作っていたお菓子作りの経験と、 日本から持ってきたいくつかのレシピ本、 そしてサンセバでシェフとして働く何人かの日本人のお友達。 そんなあたしも最近は自分の仕事にも慣れ、 そしてオーナーの信頼も少しずつ得て、 新しいケーキに挑戦することになりました。 インターネットや自分の持っているレシピ本を駆使し、 色々と考えた挙句できたあたしのレシピ、 イチゴとクリームチーズのムース、本日お店デビューしました。 毎週お店に届くイチゴが使い切れずにダメになっていくのがいたたまれず、 それをピューレにして、自然な味のムースを最初に作り、 前にお店に届いた試食用のチーズムースをイチゴのムースの上に載せ、 表面にはイチゴのエッセンスでマーブル模様を描き、 ナパージュを掛けて、赤いベリー類で飾ってフィニッシュ。 見栄えもとてもよく、オーナー夫妻も気に入ってくれたみたい。 あたしの考えるスペイン人の好きなケーキって、 とにかく甘いこと。 そして生クリームや、カスタードクリーム、メレンゲなんかが 前面に出てるとなおよし。 あたしから言わせてもらえば、そんなケーキ、クリームの味しかしない。 細かな飾りだとか、ちょっとした味のアクセントなんかよりも 見た目勝負。 そしてここ、バスクの人たちはとても保守的なので、 とにかくいつも食べている、定番のケーキが好き。 ミルフィーユはクリームのみ。 イチゴや果物の入ったミルフィーユはまだ存在していない。 ロールケーキにフルーツを入れることも少ないし、 何よりイチゴのショートケーキがないのにはびっくり。 だから新しいケーキを作っても、 なかなか受け入れてもらえるまでに時間がかかる。 それでもうちの同僚は自分達の作ってるものが一番だ、 なんて思ってるもんだから、なんとも情けない。 もっと上を見てよ、フランスだって近いんだから、と言いたくなります。 あたしもこの新しいムースがいい結果を出せたら、 次にはベイクドチーズケーキに挑戦するつもりです。 今考えているのは、フィラデルフィアのクリームチーズに バスクのチーズ、イディアサバルというのを少しアクセントに入れて、 サンセバならではのケーキにしたいなぁ、と。 まだまだ毎日が実験、新しい発見でいっぱいです。 でもやっぱり楽しい、自分の仕事。 あぁ、今日のムース、写真に撮っておけばよかったなぁ。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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