2014年3月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:2600ページ
ナイス数:32ナイス
獄窓記 (新潮文庫)の
感想
今から約10年前、秘書給与詐取事件で、懲役1年半の実刑判決を受けた、元衆議院議員、山本譲司による433日間の獄中の記録。一言でまとめると、凄惨、壮絶。何故、事件が起きてしまったのかという背景や心情、マスコミのあり方、国の行政の問題点などが浮き彫りにされているだけでなく、一般的に知られていなかった刑務所内の実状が明かされていて、これからの福祉行政への課題が見えてくる。新潮社ドキュメント賞受賞。「有言不実行」の政治家が多い中、山本さんの「言葉」と「行動」は、際立つ。
読了日:3月3日 著者:
山本譲司黒塚 KUROZUKA (集英社文庫)の
感想
抒情あふれる詩的なバイオレンスに、ブディズムと宇宙の邂逅。果てしなく続く悠久たる時間の流れの中で、人間の業深さは、変わることなく、戦は止まず、過ちは繰り返される。自由自在な物語の魔力。ほとばしる想像力。ザッツ・怨太宛印面斗! 人はそれを「夢枕獏」と呼ぶ。
読了日:3月12日 著者:
夢枕獏沙門空海唐の国にて鬼と宴す〈巻ノ1〉 (徳間文庫)の
感想
四巻組の一巻目。時は804年。所は唐の都・長安。そこへ遣唐使として橘逸勢らとともに入唐した若き留学僧・空海。空海の天才ぶりに惚れ惚れするのは、逸勢だけではない。妖怪登場のくだりは圧巻。
読了日:3月17日 著者:
夢枕獏沙門空海唐の国にて鬼と宴す〈巻ノ2〉 (徳間文庫)の
感想
二巻目。いよいよ面白くなってきた。
読了日:3月27日 著者:
夢枕獏羊の宇宙の
感想
「真実は常にシンプルで美しい」と語る老物理学者と、人里離れた山中にある草原で羊飼いをしている小さな少年とが、真理についての問答をする。物理学者を驚喜させた、少年の宇宙観とは? シンプルな文と、シンプルなイラストが、読者を素敵な真実へと誘う。
読了日:3月28日 著者:
夢枕獏沙門空海唐の国にて鬼と宴す〈巻ノ3〉 (トクマ・ノベルズ)の
感想
三巻目。どうもこの大作、著者が17年もの執筆期間を経て書いたのだとか。そりゃそうだ。遥かなる夢物語を、すらすらと雲に昇る龍のように書き付けられるとしたら、それこそ空海において他にいるまい。
さて、空海一行が知ることとなった50年前の話は、半世紀を経てまだ続いているのだった。告白が他の告白を呼び、もはや手をつけられないほどに、事態は大きく深く広がっていく。
いよいよ沙門空海、唐の国にて宴の準備をする。
読了日:3月29日 著者:
夢枕獏
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