2014年11月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:2121ページ
ナイス数:44ナイス
家族喰い――尼崎連続変死事件の真相の
感想
他人(どころか身内)を喰い物にし続ける人がいるということ、それが露呈しづらい社会システムの盲点、さらに今回の事件が氷山の一角かも知れないということを自覚せねば。自己防衛のためにも、こういう事件に巻き込まれないようにしないといけない、と感じた。理解できない、怖い、気持ち悪い、と突き放すのは簡単だが、それだけでは駄目な社会になっていると思う。
読了日:11月3日 著者:
小野一光ダイナー (ポプラ文庫)の
感想
プロの殺し屋たちが集まる定食屋キャンティーンで戦慄しながら「ステーキにしゃぶしゃぶに寿司にカツ丼とハンバーグ」を一度にいただきました。超満腹。でも、デザートは別腹でした。味見したい方は、常連客に気を付けて下さい。気に入らなくて殺そうとする奴もいれば、気に入ったから殺そうとする奴もいるから。
読了日:11月6日 著者:
平山夢明帰ってきたヒトラー 上の
感想
2011年8月、突如ベルリンで目覚めたヒトラー。彼は自殺したことを覚えてない。周りの人間は彼をヒトラーそっくりの芸人と勘違いし、彼のブラックな問題発言をジョークだと理解する。さらに勘違いが勘違いを呼び、彼はテレビのバラエティー番組に出演。YouTubeでは彼の演説が70万アクセスを超え、時の人となる…。 何て危険な風刺小説。細部に神は宿るといわんばかりの、もっともらしい描写、リアリティー。一時的にもヒトラーに同化させられる語り。「おたくはアドルフ・ヒトラーに見えるよ」
読了日:11月12日 著者:
ティムールヴェルメシュ帰ってきたヒトラー 下の
感想
「わが闘争」は発禁、ナチス礼賛は法律で禁止、ヒトラーが究極のタブーであるドイツで生まれたこの問題作が、何故ベストセラーとして世界中で注目を集めたのか。著者の主張は、ヒトラーを怪物に仕立てるだけでは、何故あのような恐ろしい出来事が起きたのかを知ることは出来ないということだ。そもそもヒトラーが現代に甦って、一体何が出来るのかって? その答を知るのは簡単だ。現代のベルリンで彼を目覚めさせたらいい。
読了日:11月23日 著者:
ティムールヴェルメシュ国民のコトバの
感想
高橋源一郎が、日本語という、この国のことばたちの中から、彼が出会った、とびきり面白く楽しい、それから、不思議な魅力のある連中について書いた本。「面白いものが読みたい」とはナンセンス、「面白いもの」はどこにだってあるのだ。
読了日:11月25日 著者:
高橋源一郎13日間で「名文」を書けるようになる方法の
感想
高橋先生の名講義を追体験できて良かった。ライブ感あふれる授業は、学生たちのすでに持っている魅力をひきだすことに成功している。それは学生たちが提出した文章を読めば分かる。高橋先生は「教えるのではない。わたしの方が教わっているのである」と思っている。その通り!と力いっぱいに手を叩きたくなった。
読了日:11月27日 著者:
高橋源一郎
読書メーター