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mi chiamo jovanotti

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December 15, 2008
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カテゴリ:甲斐
さて、肝心のコンサートですが。

正直に白状すると。

こんなに涙が出たステージは初めてでした。
25時の追跡のイントロが流れ出た瞬間にもう駄目でした。

このステージを見られる事になった時も
会場についてからさえもそんな事になる高ぶりは全く感じていなかったのに。

あの独特の音が聞こえた瞬間、
 何がどうなったのか…
突然グワッと押し寄せてきて、ハッと思ったらボロボロ寸前。

気持ちを立て直すことができないまま、緞帳が開くと
そこにはアコギを抱えた甲斐さん。
かき鳴らすギターから放たれたのはテレフォンノイローゼ。

22年前のステージもそうだった。
解散ツアー。もうこの男たちが一堂に会してプレーする姿、
見られなくなるんだなぁ、
そんな風に感じてうるうるした場面も勿論あったけれど
今夜のエモーショナルクライシスはどうもそういう感じではない。

泣いてどうする。ワンアンドオンリーな夜だ。目一杯甲斐バンドを楽しまなきゃ。

「アコースティックはここまでだ。こっからは甲斐バンドをやるぜっ!」
甲斐さんが言い放つと場内にはエンジン音がブロロロロロと流れ
新しいアレンジの「胸いっぱいの愛」
あの懐かしい低音の単音リフが出た瞬間、また決壊
   ♪GO!♪    大声で歌いながらこぶしを突き上げる
♪胸いっぱいの愛で お前と♪ あぁ…「お前」がいない…

いるべき人がそこに居ない現実を「甲斐バンド」として初めて体験して。
そこにある音楽の中に確実に「彼」は存在しているのに
目の前のステージには「彼」が居ない。

決壊の理由が何なのか、思い当たった瞬間、更に押し寄せあふれ出した想い。

♪張り裂けんばかりの 声にもなりゃしない 胸いっぱいの愛で お前と♪

のども張り裂けよと声を張り上げるが、目の前が滲んで霞んで、あぁ大森さん…。
やっぱりあなたはもういないんだなぁ…


一郎さん&えーちゃんコンビは素晴らしいプレーをかましてて
滅茶苦茶やられちゃってやられちゃって。

4曲目、ガラスの動物園のテーマ~らせん階段
一郎さんのプレーはオリジナルに非常に忠実なプレー。
そしてこの曲からは松藤さんもドラムを叩いて。
甲斐バンドの音がより甲斐バンドらしい音になる。

ナイトウェイブ、シーズン、ビューティフルエネルギーと「海」3連荘
どの歌もみんな大合唱。
僕も大合唱に乗っかるけれど、
歌詞やギターのフレーズやら
不規則に突然の決壊が何度も何度も押し寄せて
眼が腫れて、喉も詰まって
もう、ある種の戦いという様相を呈してきてて。

ステージのバックライトの街並。
あれはどこの街だろう?

カーテンではアルバム「流民の歌」で聞ける
あの火傷しそうに熱くて妖しいツインリード。
僕の目にはえーちゃんと一郎の真ん中でチョーキングを決めている大森さんが見えた。
だからトリプルリードだ。

かりそめのスウィング。
甲斐さんMC「甲斐バンドのメンバー3人だけでやろう」
一郎さんが以前BLOGで紹介していた新しいアコギ「黒生君」で格好よく決めれば
松藤さんも相変わらずの素晴らしいプレー。
この1曲だけでも見る価値があったよ、es君。

「安奈」をプレーすると泣いてしまう…
そう語ったあの人の想い、重みみたいなものが
実際にそこでプレーしている姿、オリジナルを踏襲しつつつ導き出すフレーズ、
それに触れた事で、一層僕の胸にも突き刺さってしまう。

氷のくちびる。
センターマイクをはさんで甲斐&一郎がアクションを決める
二人を赤と緑のライトが染め分けている。

一郎さんはどんな想いだろう?

僕は正直言えば、辛かった。
誰もが感じている「不在」をいやがうえにも際立たせる。
だから辛かった。


そしてポップコーン~翼へとなだれ込んだ。

翼でガツンとスピードが上がるところ。
甲斐さんと大森さんがオランダのプログレバンドの曲を聞いて
インスパイアされたといっていたあのリフを一郎さんが。
大森&一郎のコンビとなった後期甲斐バンドではそのリフの上に
一郎のインタープレーがかぶさってたのが、
今度は大森さんのリフを一郎さんが、英二さんがその上にかぶさっていく。

本編ラス前にLADY。
「偲ぶ会」でも自身たっての希望でプレーされたLADY。
今夜聞いた英二さんのソロは
やっぱり泣いてた。深く深く泣いていた。
おかげでこっちはまたまた大決壊で大変すぎる状況。

HEROで本編を終わり、アンコールではきんぽうげから。
「100万ドルナイト」ライブアルバムに収録されている曲がその半分を占めるような
セットリスト。
そしてそれを聞いて育ってきた僕らにとって
自分を形成する上で忘れることの出来ないフレーズの数々が
あの頃の輝きそのままに奏でられている。

漂泊者も観覧車も最後の夜汽車も敗れたハートも
その歌のどこにも大森さんが居た。
すべての演目が終わり、放心状態。

あの曲がいいとか、どうだとかはもうどうでも良くて。
とにかく来て良かった。
バンドが奏でる甲斐バンドクラシックの数々をとにかく全身で受け止めて
会場に来ているみんながそれぞれの思いを乗せて声を限りに叫んでいる。
そういう場所に仲間の一人としていられたことが幸せだと思うし、
そういえるバンドと30年以上もファンとしていることが出来たのは
とても素敵なことだなと、改めて感じたりする、そんな夜でした。



知り合いの人にお声が消してもらったのだけれど、
ボーっとしてしまって、何も話せず。
気がつけば見失ってしまい…。


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ステージが跳ねて表に出てみれば既に午後10時頃。

駅と反対方向に歩く。

暖かな色の明かりが見えてきた。









  





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Last updated  December 19, 2008 06:39:46 AM



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