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カテゴリ:小説・エッセイなど
就任一年目でチームを日本一に導いた埼玉西武ライオンズの渡辺久信監督の著書です。若手を伸び伸びとプレーさせる指導方針が印象的で、管理、叱咤より対話を重視したといいます。大勢の選手を統率していくうえでの、こうした目線の低さは現代感覚というか、本来大事にしなければならない人間関係の基礎だと思いました。 渡辺監督の経歴は思っていた以上にすごいもので、現役時代はパ・リーグ最多勝を3回も取った速球派右腕。また、広岡、森、東尾、野村監督という名将の元でプレーしている点も見逃せません。その後も、単身3年間の台湾野球での苦労時代、野球を外から見た解説者時代、1軍とは一蓮托生だという2軍監督時代と続き、現在に至っています。 結果が求められる時代において、結果を求めないという考え方。来年も優勝と、ファンを楽しませる野球を期待しています! 参考になった内容 ◆現代の若い選手は非常にシャイなところがあり、闘志を表に出すのが恥ずかしいという思い込みがあるだけ。ハングリーさが外に出ていなくても、全く心配することはないし、(中略)心の中にしっかりと抱いていればいい。 ◆「ミスをしてしまった。取り返さなければ」というのは、僕らがいうまでもなく、当の選手達が誰よりもわかっているのです。それをコーチ陣が耐え切れずに責めたりすると、逆効果になりかねない。 ◆プレッシャーにさらされてミスをすることで、次に同様の場面が来たときには、平常心を保ってプレーできるはず。そんな経験一つひとつが、若いチームにとっての宝物なのです。 ◆完成度の高いチームを無理やり目指すことで、彼らが現在持っている個性や長所、または長所になりうる”小さな芽”を摘んでしまうことが、何よりも怖かったのです。そこで考えたのが、今いる選手たちで何ができるかということ。 ◆僕が今年、選手たちに一番味わってもらいたかったのは、優勝という栄冠を勝ち取った後に各々の心の中に生まれる「ああ、俺たちは優勝したのだ」という感慨だったのです。(中略)その気持ちを一度味わえば、「もう一回やってやろう」と誰もが思う。だから優勝したチームは、さらに強くなっていくのです。 自己採点 95点 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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