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2005.08.28
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カテゴリ:ピアノ雑感
きのうはハンマーの硬さと効率の良い弦振動について書いた。

ピアノの音を決定する大きな要素がもう一つある。

それは響板といわれる部分である。サウンドボード(ドイツ語でレゾナンツボーデン)とも言うが、アップライトでは裏側、グランドでは弦の下に見えている板である。

名前からわかるようにこの板が響いてピアノの音がである。こまかく言えば弦の振動が駒を通して響板に共鳴しているのである。

良い響板の条件は

1.振動が早く伝わること 2.大きく揺れること

である。これらはその板の弾性によって変わる。しかしこれらは原則として両立しない。それは車を最高速で、最も安全に運転しろと言っているようなものである。

この世でこれらのピアノ製作者の「ワガママ」を最も良い条件でかなえてくれるのが「スプルース」という木材である。これはマツ科の針葉樹でトウヒやエゾマツの仲間である。このスプルースを板に切り出して貼り合せて響板を作るのだが、この過程でメーカーによって様々なノウハウがある。それで各メーカーの個性が生まれるわけである。

グロトリアンでも「ホモジェナンズド・サウンドボード」と言われる技術があり、特許をとっている。とにかくよく振動する響板である。雑踏の中でこの響板に触れるとまわりの音に共鳴して震えているのが感じられるほどである。

この響板の性質によって適したハンマーの状態も変わってくる。グロトリアンで使用しているハンマーはアーベル社製である。このハンマーはとても美しい音を出すハンマーだが、比較的繊維がやわらかくて響板自体が鳴らなければ鈍い音になる。その意味でグロトリアンとアーベルの相性は良いと言える。そしてそれに沿うように整音していくのである。

このように響板の個性によってハンマーの状態やそれに加える整音作業が変わっていくのである。

経過時間 1月 13日 1時間 6分経過
吸った煙草 0本
吸わなかった煙草 440本
浮いた煙草代 88ユーロ
延びた寿命 1日 11時間 55分





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Last updated  2005.08.28 07:39:57
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