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2005.09.04
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カテゴリ:風変わりなピアノ
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「風変わりなピアノ」では今まで僕が見たものだけを紹介してきたが、今回紹介するのは実物はおろか、写真すらみたことがない。

今回紹介したいのは「セルフチューニングピアノ」、つまりひとりでに自動的に調律されてしまうピアノだ。
  
このピアノを開発したのはストーリー&クラーク(Story & Clark)というアメリカの老舗ピアノメーカーである。このメーカーはMidiピアノなど、機械を組み込んだピアノの開発に積極的であった。その開発事業の一つがこの自動調律ピアノだったわけである。

ピアノのユーザーにとっての泣き所は調律にお金がかかるということであろう。(もちろんだからこそ僕らが食べていけるわけだが)
それで古今東西多くの科学者や発明家が自動調律ピアノの開発を手がけてきたがことごとく失敗であった。

あるメーカーが弦の狂いに合わせて小型モーターで弦にテンションをかけるメカニズムの自動調律システムを開発した。しかし調律精度が著しく悪い上、仕掛けがあまりに大掛かりで巨額のコストがかかるらしい。早い話、毎年まめに調律したほうが安くつく、ということである。


そこでストーリー&クラーク社では全く別の発想で自動調律システムを開発した。
それは弦の温度を調整することで弦の振動数を調節するというものである。

具体的には、このピアノの弦には常に電流が流れていて、約35℃に温められている。各弦の下にはピックアップ(マイクロフォン)が設置されていて、弦の振動を読み取る。
その振動がプリセットされていた調律のデータより高ければ電流を高め、弦を加熱する。
振動が低ければ電流を低くして弦の温度を下げる。
このようにして弦の振動数を調節することができる。
一台の調律にかかる時間はわずか40秒、しかもかなりの精度であるという。

私見ではあるが、このピアノのメリットは調律がいらない、ということではなく常に調律が完全な状態で使用できると言う点にあるのではないかと思う。弦の温度で操作できる音程の幅にはやはり限度があり、購入後初めの3年くらいは弦や楽器が安定するまで通常のピアノと同じくらいの頻度で調律する必要がありそうに思える。

ところでこのセルフチューニングピアノは2003年発売される、ということになっていたらしいが今現在販売されている様子がない。 
ストーリー&クラーク社のホームページを見ても、「セルフチューニングピアノ」の名前は見当たらない。どなたかこのピアノのその後をご存知だろうか・・・



経過時間 1月 20日 14時間 36分経過
吸った煙草 0本
吸わなかった煙草 516本
浮いた煙草代 103ユーロ
延びた寿命 1日 19時





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Last updated  2005.09.04 14:47:16
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