テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:ドイツ生活
この本の巻末には10ページにわたる「Japanisch für Otakus」と題する日本語講座がついている。オタク向けとあるだけに、いくつかの例文は実際のマンガから採用されている。 その中でひとつ気になるものがあったので紹介したいと思う。 それがこの、「絶対別れないから!!」という例文である。 まず最初に、「絶対」と言う言葉。 僕は「絶対」に相当する言葉としては「unbedingt」や「absolut」を思い出す。和独辞典にもそう載っている。ところが、ここでは「絶対」のドイツ語として「ganz bestimmt」という言葉をあてている。言われてみるとたしかになんかその方がすっきりしてる気がする。なるほど…と思ったのがまず一点。 次に「これはちゃうやろー」という点。 「絶対別れないから」を、 Weil ich mich ganz bestimmt nicht von dir trenne! と訳している。 「Weil~」というのは理由を説明する文である。 つまり「~なのは、私があなたと絶対別れないからである」という解釈になってしまう。 こういう解釈で上のマンガの会話を想像すると、 少女「どうしていつまでも私につきまとうの?」という感じになってしまう。しかしこの絵の場合、少女の方が別れ話をしているのにそれを断固として断っている風景にしか見えない。 しかし、考えてみると日本語で断言するときに使う「・・・から」も、暗に何か文章をほのめかしているようにも思える。そこにかえって「断言」としての効果が生じているのかもしれない。 最後はマンガの本質的な部分(?)を思わせるもの。後半を引用してみたい。 ここに見るとおり文そのものを読んだだけでは誰が誰から別れるのか分からない。しかし、絵を見ればそれがすぐに明らかになる。このように分かりやすくマンガを構築するのも苦心するところである。絵は言葉の本当の意味を同時に語っているのである。…つまりマンガとは、文章だけでなく絵を見て初めて意味を理解するものということなのだろう。 いままでマンガを読んであまりそんなことを考えたことはなかった。 マンガの読み方がよく分からないという方もおられる。おそらく文章と絵から話をまとめるのに慣れていないのだろう。そう考えるとマンガも慣れないと結構難しいものかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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