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カテゴリ:高校受験
昨年は数学以外の科目はほぼ全て記号式の入試問題になり物議をかもしました。漢字の書き取りや数学の証明もなくなる徹底ぶりでした。
県内教員へのアンケートによると高校教員の人は「これでよかった」という賛成意見が約8割、一方、中学教員の人は反対意見が約8割だったと思います。 高校教員の人に支持派が多かったのは「責任回避ができた」という消極的な理由だけではないでしょう。 私の塾では全員に開示結果を持ってきてもらっています。 試験の直後は結果が大荒れになることを予想していたのですが、大量記述500点を想定して行っていた事前の練習結果や茨城統一テストの結果とほぼ変わりませんでした。 これは意外でした。 高校の先生の肌実感としても「採用したい人」はきちんと採用できたというのがあるのだと思います。 課題としては「国語の平均点が78点にもなってしまったため国語の得意な人が不利になった」、「理科と社会の難易度のバランスが良くなかった」(社会をもう少し難しくすればよかった。あるいは理科をもう少し易しくすればよかった。)といったことくらいでしょうか。 5教科の入試の完成度として僅かに難があったとはいえ、その影響を受けたのは倍率が高く微差で合否を争う水戸一高受験者くらいのものではないかと思います。 土浦一高は倍率がさほどではありませんでしたし、竹園は倍率は高かったものの失点の余裕はあったように思います。(受かるべき人は受かった。) 1年目の試験としては上出来で課題を微調整すればあのまま今年の試験をやってもよかったのかもしれません。 まあ大騒ぎになってしまって(私もNHK茨城のニュースであれこれ言ってしまったりして)、結局、「記述式の復活」が県教委から明示されました。 ではどんな感じになるんでしょうか。 一足先に行われた県立中等の入試は参考になります。 記述ではありますが客観的な採点が可能で部分点の与え方、減点される場合、減点されない場合なども明示されています。 今年の高校入試について私の予想を簡単に言ってしまうと出題の形式は国語を除き他の4教科は今年のまま、解答の形式は5年前(ほどほどの記述)に戻ることを予想します。 社会でいうと20字〜30字の記述を歴史、地理、公民で1つずつのような感じですね。 理科も大問1つにつき記述1つ程度。グラフの記入や考え方、計算過程の記入とかそんな感じでしょうか。 これなら採点時間もなんとかなるでしょう。 英語と国語の「あなたの意見」、「あなたならどうしますか。」が出題されるかは微妙ですね。 「制服はあった方がいいですか、ない方がいいですか。理由とともに書きなさい。」(12点) いろいろな書き方ができる問題は記述内容や語句についても事前の想定外の解答が次々と出てきて客観性と採点時間ということが課題です。 「話がそっちへ流れちゃったか。」とか「こういう言い方もできるのかな。」とか「この単語でもいいのか。」とか。 時間がいくらあっても足りません。 塾では今年も自由英作文の練習をしてきましたが、手元から辞書と翻訳検索は離せません。 和文英訳だと「記述力」は試せますが「発想力」は試せません。 国語の書き抜き問題なら模範解答を見たかぎりでは「記述問題の復活」ではありますが、それは「読解力」を試しているのであって「記述力」を試したものとさえ言えません。 今年は出題委員にとって、とりわけ難しい状況で入試を迎えますが、どのへんに問題を落とし込んでくるのかたいへんに興味深く見ています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.02.16 15:23:19
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