創作童話
夜烏になった三郎 4そこへ、別の場所で休んでいた次郎が帰って来ました。浜辺で兄と弟が昼寝をしているではありませんか。次郎は、大変喜びました。きっと神様が三人一緒に帰れるようにしてくださったに違いないと思いました。二人の横に樽が二つありました。ひとつには、美味しそうな綺麗な水が樽の半分ほど入っていました。次郎は、とても甘くて美味しい果物をたくさん食べましたので水がとても欲しかったのです。次郎は水をお腹いっぱい飲み、残りを側の砂地に生えている草たちにかけてやりました。にこぼしました。ところが、草むらにおいてあったざるを見てびっくりしました。果物がひとつも無いではありません課。慰労は、二人を起こして果物のことを訊ねましたが、二人は知らないと答えました。次郎がおろおろしているのを見て、太郎がどうしたのかと尋ねると、もう、この果物はひとつも無い、10個をもいだ後、残りは全部食べてしまったというのです。太郎は、その果物は何かと尋ねると,それは赤い実でイチゴというものだと答えました。そこで、太郎は自分たちが食べたことをかくして、また、考えをめぐらせました。そして、持っていた粟の穂を一本取り出して、じっと眺めていましたが、やがて穂をほぐすと、先ほど食べたイチゴと同じ大きさの黄色い塊が出来ました。太郎は、その果物はこの粒に似ているかと聞きますと、この粒が赤くなったものによく似てると言いました。そ湖で、太郎は次郎に言いました。「おまえの血を、この粟の粒の塊に塗りなさい。そうすれば、おまえが言った果実に似たものが出来るだろう」と。次郎が兄の言うとおりにしますと、少し不恰好でしたが、もいできたイチゴの実によく似ていましたので安心しました。そのとき、四郎は綺麗な水が無くなっているのに気づきました。四郎は次郎に水のことを聞きました。すると次郎は、砂地の濡れたところを指さしてこぼれたのではないかと言って四郎を騙しました。四郎がびっくりして脅えていると、「なーに、心配は無い。海の水もこんなに綺麗だから、それを汲んで差し出せばいい」と、悪知恵を働かせました。その晩、三人は、浜で寝ました。快い潮風が三人を深い眠りに誘いました。 (つづく) [PR]年寄りのための百貨店にも、是非お越し下さい