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ただいま巡礼中。              ~日本全国観音霊場総巡り~

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秩父にいってんべー hiro1194058さん

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2008年08月19日
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カテゴリ:秩父巡礼
第34番札所
山号:日沢山(にったくさん)
宗派:曹洞宗
本尊:千手観世音菩薩
巡拝日:2008年7月1日
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三十四ヶ所の巡礼の旅も、いよいよ最終札所へ。
これまで5回の訪秩はいずれも車だったけれど、
最後ぐらいは少し味のある巡拝がしたくて、電車を選んだ。

午前9時前に自宅を出て、9時半池袋発の西武鉄道の特急レッドアローに乗る。
いつも各駅停車の窓から見慣れている沿線の風景も、
特急に乗ったというだけで旅情の趣きを醸して見える。
しかも、飯能から先の区間を乗るのはこれが初めてで、
しだいに山深くへ分け入ってゆく景色の変化に目を奪われる。


いくつも駅を通り過ぎ、トンネルを抜け、レッドアローは横瀬へ。
進行方向左手に、武甲山の巨大な山影が迫ってくる。
車で巡礼をしていた時には感じなかった迫力と威圧感で、車窓を占領している。
横瀬の駅を出ると、羊山公園の下を抜けて、いよいよ秩父盆地へ。
立派な山門と広い境内が印象的だった十二番・野坂寺の境内をかすめ、
1時間半ほどで西武秩父駅へ着いた。

ここからは秩父鉄道へ乗り換える。
電車の中刷りでその存在は知っていた仲見世通りを抜け、御花畑駅へ向かう。
御花畑駅のすぐ西側には、満開の桜の時期に訪ねた十三番・慈眼寺が見えた。
車で来た時には気づかなかったけれど、実は駅からこんなに近かったのだ。

車で自在に移動してしまうと気づくことができない発見が、
自分の足で歩くとこんなにもあるものか、と日々感じる。
乗り換えまでの20分ほどの間、秩父神社へと抜ける番場通りを少し散策したけれど、
そこには大正~昭和初期のものと思しき建築物が今も現役として立ち並んでいて、
あたりに風情を漂わせていた。この風景に出会えただけでも、
電車で来た価値があったと感じる。


そうこうしているうちに、秩父鉄道の電車が到着する。
この路線の切符はいまだ硬券で、駅員さんがパチンと切ってくれる。
車両には冷房がないのか、天井で扇風機がまわっている。
この電車で4駅、皆野駅まで移動する。

皆野駅からは、バスだ。
時刻表を見ると、30分近く時間があったので、
なんとか大丈夫だろうという判断で、駅近くの店で連れと昼食を取る。
しかし、注文したカツ丼は思ったより出てくるのに時間がかかり、
あやうく乗り損ねそうになる。
田舎のバスは、一本逃すと大変なことになるのだ。


バスの車内に流れ込む風を心地よく浴びながら、札所へ。
皆野の町なかを抜け、日野沢川沿いの道を山あいへと進む。
途中、右手に廃校になったらしい小学校の建物を見かける。
東京からさほど距離のないこのあたりの集落でさえも、
もはや過疎化・高齢化の波に押されているに違いない。

その廃校から程なくして、「札所前」のバス停に着く。
バス停のすぐ脇に日野沢川が流れていて、対岸の風情ある民家と相まって、
懐かしいような美しい風景を楽しませてくれる。

chichibu3401.JPG


境内への道を進んでゆくと、
“秩父三十四番札所”と彫られた石柱と対をなす形で、
“日本百観音結願所”と彫られた石塔も建っている。
ここは秩父の最後の札所であるだけでなく、
坂東、西国の各三十三ヶ所も合わせた計百ヶ所の札所の最後でもあるわけだ。

石柱の先の道は二手に分かれていて、左の坂道は直接観音堂へ。右の道は、
すぐ先で三十三番・菊水寺から札立峠を越えてくる巡礼道と合流して観音堂へと至る。
ここはもちろん右手の道を進むことにする。
眼前の山からは、団体の巡拝者たちが続々と降りてくる。
札立峠は熊出没情報も出ていたけれど、みんな無事のようだ。
山を降りて、六地蔵の前の石段を登れば、そこが観音堂だ。

chichibu3402.JPG


観音堂は山の斜面に背をうずめるように建っている。
1828年の建立ということだけれど、向拝及び外陣部分は近年改築されたように見えるし、
基礎部分のコンクリートもまだきれいで、内陣以外は新築同然の真新しさである。

chichibu3403.JPG


外陣には、靴を脱いで入ってゆくことができる。
欄間の透かし彫りや天井の花鳥図に、建立以来の観音堂の姿の一端が残されていた。

chichibu3405.JPG


ご本尊は、赤い格子戸の中、内陣の中央にいらっしゃる。
その右脇には阿弥陀如来さま、左脇には薬師如来さまがいて、
それぞれ西国、坂東の各札所の功徳をあらわしているという。
そして、観音堂前の「お砂踏み」と呼ばれる石盤の上で彼らへ祈りを捧げれば、
百観音巡拝と同じご利益をいただける、とされている。無論、お祈りする。



観音堂の右手は険しい岩窟になっていて、湧水が岩肌をしたたっている。
ここは「水くぐりの岩屋」と呼ばれ、残念ながら今は立入禁止だけれど、
かつての巡礼者たちは、この水場の岩窟をくぐることで身を清め、
巡礼の旅から帰っていった。この札所の寺名の由来は、ここにある。

chichibu3406.JPG


観音堂の左手に立つ立派な讃仏堂で、いよいよ最後の納経をいただく。
長く連れ添った紺色の納経帳も、ついに余白がなくなった。
しばし感慨にふけり、結願堂や仏足堂など境内のお堂にひと通りお参りをする。
バス停へ戻る下り坂を降りる時は、なにか名残惜しく、
ついに終わってしまったのか、という一抹の寂しささえ感じた。

しかし、ともあれ、事故もなく、ついに結願である。

chichibu3407.JPG



バス停へ戻り、皆野行きのバスの時刻表を見ると、かなり時間が空いている。
じっと待つにはあまりに長い時間でもあったので、この先にある、
秩父華厳の滝というのを見に行くことにする。

地図で見る限り、それほど遠くはないだろうと歩き出したものの、
これがなかなか辿り着かない。しかも時間はちょうど午後2時ごろで、
真夏を目前にした陽射しが前方から刺すように照りつけて、
汗だくになりながら滝を目指した。

やがて、日野沢川沿いの道から右手に入ってゆく坂道が現れる。
“秩父八景 秩父華厳の滝”と彫られた石碑が立っている。
その坂道を登り、さらに左へ分岐する道を進むとすぐ、その姿が目に飛び込んできた。
その名はもちろん日光の華厳の滝から拝借しているわけで、
本家に比べれば当然その規模には相当な差があるものの、
一本の太い筋となって流れ落ちるその姿には充分な迫力がある。

chichibu3408.JPG


水しぶきが舞う滝つぼ周辺は、まさにマイナスイオンの海。
修行によさそうだね、などと連れと冗談を言いながら、
さっきまでの暑さが嘘のような涼しさに時間を忘れて浸っていると、
Tシャツに短パン、サンダル姿の男性がスーパーのビニール袋を下げてやってきた。
ひょっとして本当に修行するのだろうか、と思いながら見ていると、
なんと、滝つぼの端っこでおもむろに立ちションを始める。
思うに、修行ではなく、地元の人が風呂代わりに行水に来たに違いない。
急に嫌悪を感じ、いそいそと滝を後にする。
せっかくの結願のあとに、非常に嫌な気分を味わってしまった。

帰り道の途中、観光と思しき男女二人連れが滝を目指して入って行った。
彼らは、あの男の行水を目にしたのだろうか…。


日野沢川沿いの道に戻り、バス停の時刻表を見る。
バスが来るまで、まだ20分近くある。
じっと待っているというのは、結構退屈なものである。
暑いさ中ではあったけれど、歩けるところまで歩こうよ、
ということになって、皆野駅方面に歩くことにした。
そのうち、途中のバス停でバスが追いついてくるだろう。
札所前を過ぎ、廃校の前を通り、いくつかのバス停を過ぎる。
もう追いつかれちゃうかな、もう1個行けるんじゃない?
と言いながら、最後の1個のつもりで次のバス停へ歩き出すと、
この1区間に限って妙に長い。時計はもう到着の時間に迫っている。
徐々に不安になってきて、思わず連れと一緒に駆け足でバス停を目指す。
なんとか間に合ったものの、バス停に着くとすぐ、バスが追いついてきた。
田舎のバスは、1本逃すと本当に大変なことになるのだ。
息を乱しながら乗り込んで、帰路に着いたのだった。


日沢山水潜寺
秩父郡皆野町下日野沢3522 tel.0494-62-3999



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巡礼を終えて

西武秩父駅からは、再びレッドアローに乗り込み、秩父を後にした。
ちょうど3ヶ月の間に、秩父を訪ねること6回。
空いた時間の都合をつけ、なるべく天気のいい日を選びながら、
車であればほぼ片道1時間半の道のりを旅した。
ブログも、夏に近づくに従って書く時間がなかなか取れなくなり、
三十四番の記事は巡拝から1ヵ月半以上経っての更新となってしまったけれど、
なんとか貫徹できた。これもきっと観音さまのおかげ。
それまでは縁もゆかりもなかった秩父だけれど、
最後は、もはや秩父去り難しという気分だった。
そしてなにより、秩父が大好きになった。
少し時間を置き、涼しくなったら、
巡礼中に何度か気になった「秩父十三仏」というのをまわって、
あらためてブログにアップしてみたいと思う。


巡礼というものに何かを見出せるような信心もないし、そんな時代でもないけれど、
少なくとも自分にとっては、この巡礼の間、観音さまと向き合っている時だけは、
今までにはなかった無心の時間を持つことができたように思う。
それは多分、俗世間ではまず得られない感覚であって、
その無心をもっと手に入れたいという欲求が、
この3ヶ月によって自分の中にふつふつと沸いてきた。


というわけで、次は坂東三十三ヶ所に旅立つことにした。
このブログの装いを少し変えて、坂東の札所も引き続き1記事1札所ずつ、
公開していけたらと思う。坂東はとにかくエリアが広いので、
いつまでかかって結願できるのかわからないけれど、チャレンジしようと思う。
そしていつかは西国三十三ヶ所、四国八十八ヶ所と巡っていきたい。


巡礼の本番は、これからだ!





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Last updated  2008年10月20日 11時21分12秒
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