カテゴリ:Books
教養としての世界史の学び方
とっても面白かったです。 本書は、高校生を含む若い世代に宛てても書かれています。 歴史教育のあり方自体が大きく変わろうとしている、 高校での「アクティブ・ラーニング」のアプローチ。 しっかり実践してほしいです! 「世界史のリテラシー」を、 日欧米社会の支店から逆に包摂し返すことが、 グローバル化の今日に求められている 歴史を観る枠組みのカタログを増やすことへの貪欲さと 自分にとっての「当たり前」の規範や価値観の外部に開かれた姿勢 「書き手の数だけ歴史がある」⇔一定の型にはまっている 書き手が歴史を見る視点がその書き手の生きる社会や時代の関心に埋め込まれているから ランケの「歴史主義」 「ただそれが如何にあったか」 「史料批判」 「各時代に神は直接する」 近代は、古代、中世、近代という三区分法で歴史を見る時代 という自己言及的な性格を持っている ・近代の始まり 15世紀の後半?18世紀後半?→「初期近代」 ・「長い19世紀」と「短い20世紀」(エリック・ホブズボーム) ・近代のダイナミックなーたえず自己更新していくー性格ゆえに、 「近代」は複数の異なるタイムスパンの機嫌を持つ 伸縮的・多層的な意味内容を帯びる ・近代を基準とする歴史観のバイアス 1 近代の目的視 近代社会が固定的な歴史のゴールでないことは確か 「歴史終わり?」(フランシス・フクヤマ)→ 2 ネイションという主体 ・近代化の担い手としてのネイションにとって有意味なこと以外は 公式の記録にも社会の集合的な記憶にも残りにくい ・人間中心的な歴史 3 ヨーロッパ中心主義 近代の持つ普遍性を、より多様な立場からの近代化の経験を踏まえて 概念化することなしには、歴史の基準に近代を置くことはできない ★「新旧論争」 近代的歴史記述をいかに開くか 世界の複数性と近代の普遍性のあいだの大きな緊張関係は本書を貫く問題意識 「グローバル化」(世界が一体化していく傾向)のインパクト 1 近代以前の非西欧における時代区分 2 グローバル化という視点を梃子にして、 時代区分概念としての近代を、 人類史的なスパンのグローバリズム化の中で 外側から定義しなおす 3 「世界の一体化」とは、 最初からグローバルな連関の中に置かれていた さまざまな「世界」の間の関係の様式が変容していくプロセス ケース・ヴァン・デル・ファイル 「対外関係様式」概念を導入 宮崎正勝 空間移動と生活様式という視点から グローバルな交通機関の変容を分節化する見方 近代的歴史記述に対する批判の展開 1 ウォーラ―ステイン 「世界システム論」 タテからヨコへの見方の転換 ヘゲモニーの概念 2 「大分岐」 マックス・ウェーバー ケネス・ポメランツ ヨーロッパ的な視座から「近代」として抽出されたものを、 よりグローバルな文脈において再概念化(あるいは脱概念化)する必要 近代的歴史記述をいかに開くか 1 「近代」と概念化されてきた時代は、ゴールというよりはむしろ例外的な過渡期 ゴールはひとつではない 2 近代を複数性に開くー「世界の一体化」はゴールではない 20世紀末 世界の均質化 「フラット化」 サミュエル・ハントントン 「文明の衝突」 「グローカル化」 むしろローカルな多様性を活性化させる 「大転換」 カール・ポランニー 信頼関係や自然環境などが破壊される 多極化する現代の世界 3 自然主義的な世界史感 ディヴィッド・クリスチャン ビッグ・ストーリー ユヴァル・ノア・ハラリ 「サピエンス全史」 パウル・クルッツェン 「新人世」 近代の問題→人類の問題 ポストモダンの問題→ポストヒューマンの問題 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 7, 2022 04:15:38 PM
コメント(0) | コメントを書く
[Books] カテゴリの最新記事
|
|