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じゃくの音楽日記帳

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2011.01.31
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カテゴリ:音楽一般

久々に、余韻についての話の続きを書きます。第3回目になります。といっても前二回の内容を覚えていらっしゃるかたはほとんどいないでしょうので(爆)、まとめておきます。

初回「余韻考(1)」では、演奏会場での余韻を時間的にふたつにわけて、余韻の第一段階を物理的な残響、第二段階を心理的な余韻(音楽モードから通常モードへの移行過程)とすると、このごろ、第一段階の余韻は割合大事にされることが増えてきた、ということを書きました。しかし第二段階の余韻はまだまだないがしろにされやすい、ということを書きました。そして、第二段階の余韻は主観的なものなので、音楽内容によって、演奏によって、そして何よりも個々人によって、その長さがまったく異なる、ということも書きました。

(「音楽モード」とは僕の勝手な造語ですけど、演奏者にとっては音楽を演奏する心理・身体的な体勢というか構えの状態、聴衆にとっては音楽を聴くという心理・身体的な構えの状態です。「通常モード」とは、それらがない、日常生活上の心理・身体的状態のことです。)

次の「余韻考(2)」では、自分にとっての第二段階の余韻が終わったからといっても、演奏者や他の聴衆にとっては第二段階の余韻が終わっていないかもしれないので、そのあたりを考えずにすかさず拍手・ブラボーをすると、他の方々が味わっている余韻をぶち壊してしまう危険があるということを書きました。それを避けるためには、演奏者にあわせることが大切であろう、演奏者にとっての第二段階の余韻が終わったことを確認してから拍手・ブラボーをすれば良いだろう、と書きました。つまり目で見て、演奏者が楽器をおろす、あるいは指揮者が指揮棒をおろす、あるいはじっとしている状態からフーっと体がリラックスして動き始めるなど、音楽を演奏するモードから通常モードにもどったことが確認できてから拍手・ブラボーをすれば良い、と思うわけです。

あと念のため、以前にも書いたことですが、演奏者にとっての第二段階の余韻は、きわめて短いことがあります。第一段階の余韻よりも先に終わってしまうことさえ、ありえます。たとえば華やかなアンコールピースを、鮮やかに颯爽と弾き終わったときなどです。このとき、演奏者と聴衆の気持ちがぴったりかみあって、すぐに拍手が湧き起こったりします。それはもちろん自然なすばらしい反応です。ですので、長い静寂をとらなければ絶対にいけない、などということはまったく思っていません。僕たち聴衆にとって大事なのは、演奏者と呼吸が通じ合っていること、あるいは別の言い方をすれば、演奏者にとっての第二段階の余韻(心的余韻)を尊重しようという気持ちを持つことだと思います。

フライングブラボーとかフライング拍手も、これらの段階別に考えるとふたつに分けられます。第一段階の、まだ物理的な残響が鳴り響いているときのフライングは、Super Early Flying、略してSEフライング。第二段階の、演奏者がまだ音楽モードから抜け出していないときのフライングは、Early Flying、略してEフライング、と呼ばれます。というか、今そう決めました(爆爆)。

一昔前まではSEフライングが跋扈していたわけですが、このごろは、これは激減してきている印象です。実に慶賀すべきことです。しかしEフライングは、まだまだしぶとく存在しています。ちょっと油断していると、いや、自分が気を引き締めていても、Eフライングはすかさず湧き起こってしまいます。

この恐るべきフライング現象、なぜかオーケストラの演奏会で圧倒的に多いと思われます。室内楽や器楽、独唱や合唱などでは、SEフライングはまず皆無でしょうし、Eフライングも比較的少ないと思います。あとオペラでの状況は良くわからないので別として、ともかくオケの演奏会では、まだまだEフライングが目立ちます。なぜなのでしょうか。オケの巨大な音量で、派手な終わりかたをすると、つい反射的に大きな声を出したくなる?大ホールで聴衆の人数が多いので、少々叫んだりしても、誰が叫んでいるのかわかりにくいから、少々マナーのよろしくないことでもやってしまえ、という心理が働きやすい?あるいはオケを聴きに来る人には性格的にフライングしたがり屋さんが多い?あるいはもっと単純に、オケ物を聴きにくる人と小編成物を聴きに来る人とで、同じ確率でフライングしたがり屋さんがいるとしても、1回あたりの聴衆の数がオケ物では多いので、フライングに「遭ってしまう」確率が高くなる?まぁ良くわかりませんけど、ともかく現実的に問題になるのは、オケ物でのフライング対策です。

オケ物でのフライング対策。ようやく話の出発点にもどってきました。そもそもは昨年10月のスクロヴアチェフスキ&読響の定期演奏会で、フライング対策の場内アナウンス「拍手は、指揮者が手を下ろすまでお控えくださるようお願いいたします。」を初めて耳にして驚いたことが、この話の出発点でした。

今回は、あまり話の進展がありませんが、このあたりで一区切りとします。
次回は、オーケストラコンサートにおけるフライング対策について、書こうと思います。

 






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Last updated  2011.02.01 00:28:49
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