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じゃくの音楽日記帳

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2011.06.30
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二日目から一夜あけた6月19日、三日連続3番公演最終日のレポートです。

開場前、きょうも昨日と同じ場所でコーヒーを飲んでいると、やはり今日も来ました来ました、先生方に引率された男女数十人の中学生くらいとおぼしき生徒たち。目の前を通り過ぎるとき、生徒の人数を数えてみたら、ちょうど50人でした。児童合唱の生徒たちですね、3日連続お疲れ様です、きょうも頑張ってください。

今日も大入り満員の会場で、佐渡さんのトークが始まりました。昨日に続いて六甲おろしの話をしようと思っていたらしいのですが、うっかりそれをし忘れてしまったようでした。今日は「没後100年」は順調に出ましたが、連日何かと突っ込みどころの多いトークとなっていました(笑)。

僕の今日の席は1階のかなり前寄りの、ほぼセンターでした。自分としても初めての、3日連続3番体験が、いよいよ始まりました。

第一楽章から、きょうはオケの音がしっかり噛み合い、まとまって、すばらしいです!席の違いもあるので厳密な比較はできないですが、僕の感覚としては昨日とは全く違う次元の、圧倒的なパフォーマンスです。

金管部隊は、なんといっても特筆すべきはホルン隊の威力です。初日から高いレヴェルだった強力ホルン隊、きょうはますますパワーと安定性が増し、圧倒的なパフォーマンスです。これは凄い。ホルンを筆頭に、他の金管群もすばらしい。柔らかい音色が魅力の1番トランペット(おそらくMCO奏者)も、3日目が一番良かったですが、それでもやはり突き抜ける輝きが欲しい場所でも遠慮がちに聴こえたのが、唯一の、物足りなさを感じたところでした。

木管も、昨日までは奏者ひとりひとりはいい音を出していても、何かそれがしっくり他の音と合わず、微妙な違和感を感ずることが多かったのですが、きょうはそれがなく、オケ全体の音の一部としてふさわしく響いています。

弦も、ますます好調。僕のきょうの席は、佐渡さんとチェロやヴィオラの第一プルトが、かなり間近にかぶりつき的に見れる席でしたので、初日・二日目とも好印象だったチェロとヴィオラの演奏を間近で見聞きできて、ますますその魅力に惹かれました。第一楽章で佐渡さんが、弦へのキューをかなり多く出していることがあらためてわかりました。特にヴィオラやチェロへの弱音部分で、えぐりこむような強いキューが印象的でした。それにこたえるヴィオラやチェロのジャワジャワっとした弱音が、シャープで鮮やかで、実に素晴らしいです。

なにしろ第一楽章の持つ多面的な魅力を、岩山のごとき峻厳さも、夏の行進の歓びも、弱音部でのえぐりこむ緊張感も、十分なパワーとスケールで、表してくれたのは驚異的です。三日目にきてついに、佐渡さんと二つのオケがしっかりひとつになった音楽が鳴っています。これを、これを待っていました!

第三楽章のポストホルン、僕の席はかなり前寄りで、舞台下手奥のドアがあいたとき、ドアの上部が開いたのがわずかに見えるという位置でした。それが幸いしたのか、初日ほどには近くから聴こえず、二日目と同じように、まずまずの距離感を持って響いてきました。佐渡さんは今日もとても遅いテンポでポストホルンを吹かせましたが、頑張っていい演奏でした。なお、このポストホルンの伴奏部分で、二日目の演奏では名手の1番クラリネットが、途中の入りのタイミングを間違えて、かなり音がずれてしまったという、ご本人にとっても悔しいであろうアクシデントがありましたが、きょうは完璧でした。

第三楽章が終わり、合唱団、ついでヤングさんの入場です。今日はヤングさんは、初日、二日目の青緑色のドレスでなくて、漆黒のドレスでの登場です。この歌が本当にすばらしかったです。歌いだしの絶妙な弱音、そして「O Mensch!」のschとか、「Gib Acht!」のchtとか「Ich schlief!」のfとかの語尾の子音が巧みに強調され、そのたたずまいに深い余韻があり、引き込まれて聴きました。名唱です。昨日までの青緑のドレスも美しい色でしたが、夜の闇の深さを歌うこの楽章には、黒いドレスがとても似合うと思いました。なお第四楽章の半ばで、ホルンの本数が増えて独唱者の伴奏の和音を奏でるところ、二日目の演奏ではホルンの音がちょっとばらけて不揃いでまとまらなかったのですが、きょうはここも完璧にクリアしたホルン隊でした。

第五楽章への入り方は、佐渡さんは第四楽章が終わってから合唱団に起立の指示を出し、譜面をめくって、振り始めるという方式でした。それから終楽章への入り方も、第五楽章が終わってから独唱者が座り合唱団を座らせてから振り始めるというやり方でした。どちらも、二日目までと基本的には同じ方式です。二日目までは、間合いが間合いとして感じられ、各楽章が別個のものに途切れ途切れになった感じがしました。しかし今日は、間合いそのものがおそらく二日目までよりも短かったように思いますし、間合い自体に緊張感が保たれていて、アタッカに近い雰囲気となっていました。これならば、興をそがれることなく、4,5,6楽章が一続きの音楽として感じとれます。

そして終楽章。あぁ三日目にして、ついにミューズの神は降りてきてくれました。非常にゆっくりとしたテンポ、フレーズの終わりから次のフレーズにはいるところの粘り。CDに聴くバーンスタインの演奏が想い起こされます。そしてオケの奏でる音の美しさ。節目節目で出てくるホルン隊の強奏の、なんと力強く、なんと神々しい響き!PAC+MCO+ジョナサン・ハミル氏による終楽章のホルンの響き、忘れられないものとなりました。

最後近くの金管コラールの1番トランペット、二日目は惜しくもはずした最高音も、きょうはきっちりと決まりました。

最後のティンパニの大いなる歩みのところ、悠然とした歩みによるスケール感が、すばらしいです。この部分、チェロとコントラバスもティンパニと同じ音程、音型で主音属音を繰り返しますね。今日初めて気がつきましたが、この部分でチェロの人たちが、指揮者ではなく、ティンパニにあわせるべく、右を向いてティンパニを見ながら弾いていました。(コントラバスは僕の席からは視認できず。)ただしチェロパート全員ではなく、首席をふくめておよそ半数の奏者が、そうしていました。おそらくMCOの奏者だろうと想像します。なるほど、こういうふうにしてあわせるやり方もあるんですね!充実した主和音の響きに浸りながら、このシーンを眺めていたひととき、僕にとって忘れられない幸せなひとときとなりました。

ティンパニの最後の一打ち、二人のティンパニ奏者の打撃が、二日目は微妙にずれてしまいまいたが、今日はびしっとそろって、画竜点睛の一打ちが決まりました。

きょうは本当に何もかもが決まった、ミューズの神に祝福された演奏でした。

終わった後、ポストホルンを吹いたPACの赤堀さんが立ったとき、持っていたのは、ポストホルンにしては随分大きめで、ちょっとしたホルンくらいの大きさがあるかもしれない楽器でした。やはりバルブつきのポストホルンなのでしょうか。だとすれば三日ともこの楽器を使って吹かれたということなのでしょう。初日の音色からはポストホルンは使っていないだろうと思ったのですが、僕の耳はやはりあてになりません。ともかく三日間、堅実で安定したポストホルンを聴かせていただきました。

3番3本勝負、三日目は文句なしの満塁ホームラン。

またひとつ、幸せな3番体験ができました。佐渡さん、PACとMCOの方々、ヤングさん、合唱の皆さん、すばらしき3番をありがとうございました。






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Last updated  2011.06.30 21:19:14
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