カテゴリ:脱原発に向けて
先日北海道に家族旅行に行ってきました。小樽を訪れ、暑いけれどさわやかな風にあたりながら運河を散策し、ガラス工芸品を見て、お刺身を食べました。小樽から北に広がる青い海(石狩湾)はきれいでした。
その時期丁度「北海道新聞」には、泊(とまり)原発3号機の営業運転再開をめぐる記事が連日大きく取り上げられていました。 地図で見ると、北西に大きく突き出た積丹半島があり、半島の左下の根元あたりに泊原発があります。泊原発から東北東約40Kmに小樽市があります。真東方向約70Kmには札幌市があります。もしも原発事故が起これば、風向き次第では放射能が小樽を直撃します。札幌も安心できない。 昨日(8月13日)の東京新聞にも、泊原発3号機の記事が大きく載っていました。 以下、記事を抜粋します。 ----------------------------------------------------------------------------------- (ここから抜粋開始) 定期検査中だった泊原発3号機は、東日本大震災直前に調整運転にはいり、当初は4月にも最終検査を受けて営業運転を再開する予定だった。しかし福島原発震災を受けて北海道電力が営業運転再開の申請を延期し、異例の長期にわたるフル出力状態の調整運転が続いている。 同じように東日本大震災直前に調整運転にはいっていたのが、福井県の大飯原発1号機。経産省はこのふたつについてはストレステストをせずに早急に営業運転に持ち込みたい意向だった。ところが大飯原発はトラブルで7月に運転を停止した。そこで営業運転再開の見込みが立つのは泊原発だけになっていた。 8月11日に開かれた内閣府の原子力安全委員会で、泊原発3号機の最終検査結果について、原子力安全・保安院が「技術上の問題はない」と報告した。班目春樹原子力安全委員長は、「定期検査は規制行政庁である保安院が責任をもって行うものである」と述べて、委員会としての判断を示さなかった。 泊原発が営業運転を始めれば、震災後は初めてのケースになる。これを機に、政府は全国の定期検査を終えた原発について、運転再開に一気に舵を切る可能性もある。 高橋はるみ知事は、一度は国の対応に強い不快感を示したものの、一転して再開容認の姿勢に。道民からは「福島の原発事故で原発の安全性が大きく揺らいでいるのに、運転再開を急ぐのはおかしい」といった疑問が出ている。知事は泊原発周辺の4町村の意見を聞くとしているが、10Km圏外の15町村は説明がないことに住民の不満が高まっており、一致して道と北電に協議を申し入れる方向だ。 8月1日には、道内の38人が、営業運転再開を認めないよう国に求める訴えを札幌地裁に起こした。 (記事の抜粋、ここまでで終わり) ----------------------------------------------------------------------------------- 泊原発3号機は、出力91.2万Kw。プルサーマルも計画されています。建設着工2003年11月、営業運転は2009年12月と比較的新しいものです。しかし新しいから大丈夫かといえば、まったくそんなことはありません。泊原発の耐震性は、建設着工した当時の旧指針による耐震性は370ガル。2006年9月の新指針による耐震性も、わずか550ガルに引き上げられただけなのです。(ちなみに福島第一原発の耐震性は600ガルだった。)近年、日本のあちこちで、これを軽く凌駕する1000ガル、2000ガルの地震の発生が繰り返されています。2008年の岩手・宮城内陸地震では、一関市で3866ガルの上下動が記録されています。また泊原発から約10Km離れた海底に活断層があるという指摘も2009年に出ています。 これでどうして安全といえるのでしょうか。 「技術上の問題はない」という原子力安全・保安院は、滅茶苦茶と思いませんか。 しかもそれに対して、「保安院が責任をもって行うものである」と述べるだけで、安全性の判断をしようとしない原子力安全委員会は、まったく無責任です。どうして班目委員長を解任しないのか。 北海道知事も、4町村だけからしか意見を聞かないとは、信じられない神経です。 福島事故前と何も変わっていないのでしょうか。。。 なんとか、営業運転が再開されないことを強く願います。札幌地裁の判断にも期待したいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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