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じゃくの音楽日記帳

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2012.07.16
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大阪フィルハーモニー交響楽団 第460回定期演奏会
7月12日・13日、ザ・シンフォーニーホール
大植英次指揮によるマーラーの交響曲第9番を聴きました。

この曲は大植監督時代、一度は定期で予定されていたものの、大植さんの体調不良のため幻となってしまいました。その後2009年にはNDRとの日本ツアーで、すばらしすぎる9番を聴かせていただきました。そしてついに今回、大フィル定期でのマーラー9番が実現したわけです。

今は監督から退かれてはいますが、実質的には、3月のスペシャルコンサートでのブルックナー8番に続く、大フィル音楽監督としてのもう一つの総決算と言えるのではないでしょうか。

大植さんのコンサートを言葉にするのは難しく、ためらっているうちに書きそびれてしまうことが今までにも多々ありましたので、今回はそうならないよう、あまり悩まず、簡単にでも書きとめておこうと思います。

まず初日です。

弦は、コントラバスが舞台に向かって一番左(下手)で、他は下手から第一Vn、Vc、Va、第二Vnという、オーソドックスな両翼配置でした。ハープ2台は右(上手)でした。珍しくホルン隊も上手側、ハープの奥に位置していました。ホルンの後ろには鐘(普通のチューブラーベル)がありました。

開始された第一楽章、テンポはNDRのときよりはやや速めにとられ、しなやかなアゴーギグが絶妙です。そこかしこに、明るい生命肯定の歌が、しっかりと感じられます。これぞ大植さんのマーラーの魅力です!

第一楽章では、おっと思うようなバスクラの強調があったり、楽章最後近くのフルートのソロの終わりあたりでややかすれたような印象的な音色を出させたり、そういった大植さんのこだわりに、木管各パートが充分に応えて、彫りの深い音楽になっていて、聴き応えがありました。ホルン隊が途中ちょっとバラけそうになったのは、大フィルらしいといえば大フィルらしいところでしょうか。(ホルン隊は、いつものようにパワーがやや不足気味ではありましたがだんだんと調子をあげ、終楽章ではかなり健闘していました。)

第二、第三楽章も、NDRのときよりはやや速めのテンポだったと思いますが、速すぎるという感じはせず、しなやかなアゴーギグで、マーラーの音楽に浸れます。

終楽章も同じ路線で、しかも一段と充実した音楽になりました。基盤には一貫した明るさ、ポジティブさがあり、その上でこの楽章に不可欠な寂寥感もしみじみと伝わってくるんです。これって本当に、大植さんならではの9番世界だと思います。その魅力をじっくりとかみしめながら、聴かせていただきました。本当にすばらしかったです。

コンマスは東京フィルの三浦章宏さん。昨年大植さんが東京フィルでブラームスの1番を振ったときも三浦さんがコンマスでした。そのときに意気投合して今回の起用につながったのでしょうか。腰の座った安定感でオケをまとめていました。ヴィオラのトップの小野さんも、随所ではっとするような印象深いソロを聴かせてくれました。

今回の演奏会を聴くにあたっては、2009年のNDRとの9番があまりにもすばらしかったこと、それから近年の4番(2011年兵庫)や3番(2012年兵庫)に少なからぬ戸惑いの念を抱かされてしまったこと、などから正直不安もありました。しかし、杞憂でした。

この初日の演奏は、NDRのときとはまた少し違って、スケールはそれほど大きくないけれど、大植さんの生命肯定のメッセージが、より自然体で柔軟に表現されていた、そんなふうに感じました。あらためて思います、「大植さんの9番は本当にすばらしい。」

終演後久しぶりに、サインをいただきたく長い行列にならびました。並ぶこと約45分、自分の番がそろそろ近づいてきて、前方の様子をうかがっていると、大植さんはマーラーの自筆譜のコピー(?)か何かの楽譜を見せながら、これは日本には1冊しかなくて、マーラーの作曲過程での修正がいろいろ書き込まれていて、これを今回参考にして演奏した、というふうなことをおっしゃっているようでした。ですので、もしかして、その楽譜に基づき細部を若干変更して演奏したのかもしれません。(話があまり聞き取れなかったので、違っているかもしれません。)それからほどなく僕の番が来て、すばらしい9番を聴かせていただいたことのお礼をお伝えし、サインをいただきました。

明日は、オケはさらに仕上げてくるだろうから、さらにいい9番を聴かせてもらえるだろう、そんなふうに思いながらホールをあとにしました。





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Last updated  2012.07.23 03:22:34
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