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じゃくの音楽日記帳

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2014.01.08
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カテゴリ:演奏会(2013年)
2013年印象に残ったコンサートの最後は、声楽編のその3、合唱です。

合唱のコンサートは、6回行ったすべてを書き出しておきます。

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 6月12日 タリススコラーズ結成40周年コンサート   東京オペラシティ
 8月 9日 テルツ少年合唱団               みなとみらい
11月25日 ラヤトン(北欧のアカペラグループ)     武蔵野市民文化会館小ホール
11月26日 チェコ少女合唱団 イトロ            日経ホール
11月28日 同上                        東京カテドラル関口教会 聖マリア大聖堂
12月11日 チェコ少年合唱団 ボニ・プエリ        東京文化会館小ホール
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タリススコラーズを聴くのは何回目になるのでしょうか。いつものように素晴らしい合唱を聴かせていただきました。このところ、響きのよい東京オペラシティで歌ってくれるのが、とてもありがたいです。本当はもっと残響の長い、響きのよい教会で聴いたら、さらに良いのでしょう。

昨年は児童合唱を3グループ聴きことができました。いずれも初めて聴くグループでした。ひとつめは名にし負うテルツ少年合唱団で、さすがにひとりひとりの声の美しさが印象的でした。ただし指揮者が若くて、指揮ぶりがやや単調で、この子たちの真価を引き出せていないように思えたのは、僕だけでしょうか。。

ふたつめは、チェコの少女合唱団イトロです。11月26日の日経ホールは、かなりデッドな会場で、合唱にはハードな環境でしたが、それでも美しい響きを本来持っている合唱団であることは、はっきり感じられました。とくに自国チェコの民謡や、それに基づく作品は、のびのびと歌い、生き生きした息吹きがあり、とても魅力的でした。ピアノの伴奏も、時々みかける合唱のおまけのような伴奏ではなく、繊細な味わいを持つしっかりした伴奏でした。それから、アカペラの曲が多くセンスの良いプログラミングも、この合唱団の魅力を味わえた理由の一つと思いました。

この二日後には、同じイトロによる、目白の東京カテドラル関口教会聖マリア大聖堂でのコンサートを聴きました。ここは十分に長い残響がある空間なので、彼女たちの響きの美しさが充分に味わえました。彼女たちも日経ホールよりずっと歌いやすかっただろうと思います。この日のプログラムは、一昨日よりもさらに一段と考えられたもので、前半の最後に歌われたのが中村雪武さんという方の作曲による「虹よ永遠に~真実井房子原爆体験記より~」という、原爆の悲惨さをストレートに真摯に歌った重い曲でした。この合唱団の今回の日本ツアーは、約3週間全国をまわるもので、うち福島も訪れて歌ったそうです。福島でのプログラムが何だったのかはわかりませんが、この原爆の歌は、明らかに原発震災に被災している福島の方々への応援メッセージであるし、脱原発のメッセージもこめられたものと思います。(プログラムの文章には何も書かれていないけれど、それだけに、訴えかけの強さを感じます。)このメッセージ、日本人として本当にありがたいです。帰りに彼女たちへの応援の意味をこめて、この合唱団のCDを、マルティヌー作品集ほか、計5枚買って帰りました。

三つめは、チェコ少年合唱団ボニ・プエリ。彼らもまた、東京では東京カテドラル関口教会聖マリア大聖堂でのコンサートと、東京文化会館小ホールでのコンサートの2回を行いました。教会では祈り系の歌をメインとしたコンセプトで、東京文化会館では楽しいクリスマスコンサートのコンセプトで行われたようです。是非とも教会のほうを聴きたかったのですが、日程的に都合がつかず、東京文化会館のほうに行きました。団員の少年の日本語によるお話を随所にはさんだ、サービス精神あふれる、楽しいクリスマスのコンサートでした。しかし、歌唱そのものの完成度は正直今一つでしたし、アカペラの曲がごく僅かしかなく、ピアノ伴奏に繊細さが乏しかったことなどから、個人的にはもの足りなさを覚えた演奏会でした。カテドラルの響きの中での祈り系の歌を聴いたら、また違った印象になったかもしれないです。

それにしても、児童合唱は本当にいいものです。はるばる日本に来てくれた子どもたち、ありがとう!

さて昨年の合唱で一番感銘を受けたのは、北欧はフィンランドのアカペラグループ、ラヤトンの公演でした。男声3人、女性3人の6人からなるこのグループのことはまったく初耳でしたし、公演のチラシには、「もしかしてPAを使うかもしれない」という断りも書かれてあったので、あまり期待しないで臨みました。しかしこれが素晴らしかったです!まず発声が、あるときは正統的な西欧系の発声、あるときは民族的な発声と、その両者がうまく交代したり混ざりあう、独特なものでした。さらに、ひとりひとりの声の質がそれぞれ相当に異なっていて、異質な6人の声が適度にぶつかりあうそのブレンド感がユニークで絶妙でした。豆腐にたとえれば、絹ごしでなくて木綿ごしですね(^^)。曲目は、フィンランドほかのヨーロッパのさまざまな国の伝統歌、クリスマスの歌、それから「となりのトトロ」など、静かな祈りから楽しく浮き浮きする曲まで、多彩で素敵なプログラムでした。曲のいくつかはメンバーの編曲になるものということでしたが、その編曲のセンスも実に素晴らしかったです。ちょっと心配だったPAも、結局まったく使われませんでした。もしも大きな会場だったり響きが厳しい空間だったらPAを使ったのだと思いますが、会場の武蔵野市民文化会館小ホールは小さくて響きが豊かで美しく、このようなアカペラグループには理想的な場所でしたので、PAを使わないですんだのでしょう。(実は2003年の彼らの日本での最初のコンサートが、この会場だったそうです。)

ラヤトン。昨年の僕の音楽的出会いの最大の収穫になりました。次回の来日が非常に楽しみです。





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Last updated  2014.01.09 01:57:29
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