術後5日目、リハビリ2日目です。
朝、いつものように右足首から先を動かす練習をベッド上で始めました。右足の指を背屈させようと力をいれたところ、今まではうんともすんとも動かなかった第2,3,4,5指のうち、第4、第5指が、ほんのわずか(0.5mmほど)ですが、動きました!こんなことは6月以来なかったことで、うれしくなりました。
リハビリの時間になり、担当の先生にそれをお話しました。先生が、「それは良かったですね」といいながら、昨日のように僕の足の裏をさわってすぐに、「昨日より足の裏が全然柔らかいです!」と仰ったので、またまたうれしくなりました。
きょうはセルフケアの方法としてストレッチをひとつ教わりました。仰臥位になり、左手の手首を右手で持ち、左の腰のところから上と下に体がふたつにわかれるようなイメージで左側を伸ばします。足首・足先は伸ばします。5秒で終了。このときに右手で引っ張るのではなく、また体を横に曲げるのでもなく、上と下に腰から分かれるような感じでやります。今度は左右入れ替えて同じことをやります。これを左右交互に3セットです。「必ず左側からやってください」というので、僕が右が悪いからですか?と尋ねたら、そうではなくて、地球の自転の関係で、北半球の人は左から、南半球の人は右からやると、体のゆがみがとれやすいのだそうです。フーコーの振り子の原理を思い出しました。むなかた先生という方が提唱している方法だということでしたので、「むなかたストレッチ」と呼ぶことにしました。立っていても座っていてもできるけれど、座っていると効果が出にくいそうです。立ったままなら、仕事の合間にもちょっとできる方法です。(あとで調べたら、アメリカで活躍する理学療法の宗形美代子先生が開発した方法ということです。)
そのあと「足裏コロコロ」をやりました。その次にやったのが、座って、右足は少し体の前のほうに置き、ゴムベルトみたいのを右足先にひっかけて、ゴムベルトの端を左右の手でそれぞれ持って、ゴムベルトを軽く引っ張りながら、右足首の背屈と底屈を繰り返す運動をやりました。ゴムベルトを、僕のできない背屈の援助として使うわけです。こういう道具を使うことで、足首関節の動く範囲が広がりますので、筋力の回復にはより効果があるそうです。同じことを、今度は右足を斜め横に投げ出した状態で行うこともやりました。これは右足だけやりました。「ゴムサポート曲げ伸ばし」としましょう。
最後に、歩行訓練です。歩く状態をみて、先生が「昨日よりずっと良いです」と。自分でもそう思いました。昨日は4往復で終了した平行棒つかまり歩きでしたが、今日は20往復位して、それでもあまり疲れなかったです。またリハビリ中にいろいろな装具も試してみたらよいでしょうということで、きょうAFOという装具のひとつを試させてもらい増した。プラスティック製で、足首の後ろ半分~足首~下腿下部までサポートしてくれるもので、それを右足につけてみたら、たしかに非常に歩きやすかったです。
本日のリハビリはこれで終わり。今日教わったことをまとめると、「むなかたストレッチ」と「ゴムサポート曲げ伸ばし」です。
その後、リハビリの先生からの指示で、今までは病棟内の移動に車椅子を使っていたのですが、歩行器でも良いということになったので、歩行器で、廊下の端から端まで結構長い廊下を、間をおいて合計4往復しました。昨日より格段に歩いた距離が長くなり、それでもだるさや疲れが少なかったので、1日でずいぶん変わるものだと思いました。明日も無理せず頑張りたいと思います。
さてこの日は、昨日に続いて声楽を聴きました。今日メインに聴いたのは、メレディス・モンクの、ECMからの2007年のアルバム「インパーマネンス」です。このCDは、内容は良く分からず、ともかくモンクでECMならもんくなかろう、と思って買ったものですが、文句ないどころか、とんでもなく良かったものです。
このアルバムは、物語性のない音楽的瞑想で、死や人の命のもろさをテーマにしている、ということです。非常に美しく瞑想的な曲の数々がはいっていて、特に1曲目のLast Songは凄いです。切り詰めたヴォイスと楽器による音楽のあまりに純粋な美しさは、一度聴いたら忘れられないものです。ところどころには踊りの音楽も混ざって、それらもユニークで、全編本当に充実しています。