術後13日目です。
午後先生の診察があり、背中の傷をみていただきました。
そして先生が、「ひとつ懸念があります。」とお話を始めました。背中の傷口の皮膚の下に液が数mlたまり、それを一昨日に注射器で吸いとってもらいましたが、そのあとすでに、また同じ程度の液が溜まってしまっている、ということでした。
今までは説明をはしょっていましたが、私そもそも、今回の手術は2回目なのです。30歳台半ばに、今回と同じ場所(右の第5腰堆と第1仙椎の間の椎間板)のヘルニアを生じました。1年ほどしてから、飛び出した髄核部分を削り取る手術を受けました。今回は約20年ぶりのヘルニア再発、手術だったわけです。2回目の手術なので、当然のことながら以前の手術の影響で当該部位は線維化・癒着が強かったということです。従って今回の手術ではその部分は手が付けられず、その少し上にあたる、第5腰椎の椎弓の右側部分を切除して、そこから取れる範囲で、飛び出した髄核部分をとった、というわけです。僕のように同じ部位にヘルニアが再発することは、そう珍しくないことだそうです。
さて先生のご説明によると、癒着が強いため、手術のときに脊柱管の硬膜がちょっと傷つき、そこを縫合した。そこから髄液が少量漏れている。硬膜の外側には筋肉があり、手術のときに切った筋肉を縫合した。しかし筋肉の縫合にもわずかな隙間がおそらくあり、硬膜から漏れた髄液が、そこからも漏れて、皮膚の下に溜まっている。こうした場合、このままで大きな症状がなければ、このままでも良い。しかし何かの拍子でもしも髄液の漏れが増加すると、頭痛や、場合によっては硬膜の穴に神経がはまってしまって痛みの原因になるなどの可能性が、ないわけではない。
これの対策としては、1)今は何もせず、様子をみて、もしも髄液の漏れが増えるようだったらあらためて考える。2)もう一度皮膚を開けて、筋肉の縫合の状態を確認し、隙間があればそこを縫い治す。3)より抜本的には、硬膜のところまで開けて、フィブリンという糊のようなものを塗って、硬膜の穴をふさいだり、あるいは癒着の部分を含めて、広く縫い治す。ただし、硬膜が癒着しているところはペラペラになっているので、うまく縫合するのはおそらくかなり困難。
ということでした。そして、もし2)をやるとしたら、それから再び2週間は入院静養が必要になる、とのことでした。1)で、半分くらいの人はそれで大丈夫、ということでした。(半分ときいてちょっとびっくり。)
僕のスケジュールとしては、来週の末から仕事を再開する予定を組んであるので、今からさらに2週間休むというのはかなり困難であることをお話したところ、ともかく今は何もせず様子をみよう、ということになりました。ひとつだけ対策として、起きている間は、傷口あたりを軽く圧迫するために、サクロフィックスというコルセットみたいなもの(布製でアルミステーもはいっている)を付けてください、ということでした。さっそく病院の売店に行って、指示されたものを買って、腰に装着しました。
なんとかこれで髄液の漏出が増えないで行ってくれればと思います。サクロフィックス君頼みまっせ。