カテゴリ:演奏会(2018年)
続いては2018年ブルックナー演奏会のまとめです。
4番 ヤング&新日フィル(1874年初稿) 7月14日 すみだトリフォニー 7番 ギルバート&NDRエルプフィル 11月 2日 サントリー 9番 坂入健司郎&東京ユヴェントスフィル 1月 7日 ミューザ川崎 ノット&東響 4月14日 サントリー インキネン&日フィル 10月12日 サントリー ブロムシュテット&N響 10月13日 NHKホール 4番は、自分の知る限りシモーネ・ヤングさんがついに日本で初めてブルックナーを振る貴重な演奏会。しかし4番の初稿は自分としては好きではなく、その意味で残念な体験でした。この日の演奏会は、木嶋真優さんのヴァイオリンが素晴らしかったです。いずれヤングさんには、8番の初稿を日本で是非振っていただければと思います。 9番は、4つの演奏を聴けました。 坂入健司郎&東京ユヴェントスフィルが、素晴らしかったです。坂入さんのブルックナーを初めて聴きましたが、ゆったりとした流れで一貫し、無駄な力みがない、しかし入るべき力はしっかり入っているという、噂に違わず本物のブルックナーでした。この若さで、このようなブルックナーが振れるというのは、本当に驚異的です! ノット&東響も立派な演奏で好感を持ちましたが、ノットのブルックナーはどうしてもやや力が入りすぎてしまうところに、僕としてはちょっと違和感を感じてしまいます。 それからインキネン&日フィルも凄かったです。ゆっくりとした、無駄な力のない、深い呼吸と巨大なスケールの、すごいブルックナーでした。坂入さんが唯一テンポをやや速めた第一楽章第三主題部も、インキネンはまったくテンポを速めず、そのままの歩みで進みました。 8番といい9番といい、インキネンのブルックナー、こちらも本物です。完全に敬服いたします。 その翌日、ブロムシュテット&N響は、残念ながら僕の心には響かない凡庸な音楽に終始してしまいました。前日のインキネンの素晴らしすぎる演奏の影響がないとはいいませんが、それを抜きとしても、同じと思います。・・・ブロムシュテットさんのブルックナーは、2012年バンベルク響との4番の神がかり的名演を頂点として、その後2016年バンベルクとの7番、そして今回の9番と、少しずつ下り坂を進んでいるように僕には感じられてしまい、残念なところです。 このほか、聴きたかったけれど諸般の事情で聴けなかったものに、上岡&新日フィルの6番と9番がありました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.12.31 20:40:47
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