カテゴリ:読書
五木寛之に「盗作狩り」という短編があります。 前に読んでいますが、詳しい内容は忘れました。 再読しようと、図書館や古書店で探しましたが、見つかりません。 おぼろげな記憶を頼りに、ストーリーを再現すると。 現職の文部大臣の盗作から、話がはじまります。 文部大臣が作詞したある中学の校歌が、盗作ではないか、とテレビ局に投書が。 盗作されたのは、地方の市制何周年記念で公募された佳作作品でした。 作者は地方在住の主婦。 テレビ局の記者は、主婦を訪ねます。 応対した夫が、この問題は取り上げないでくれ、と言います。 理由は、家内の詩も盗作だった、というのです。 記者は取材を続けます。 次の人も、その次の人も、盗作していました。 玉ねぎを剥いても、剥いても、なかなか芯まで届かない。 まあ、こんな内容でしたね。 ここからは、さらに記憶が曖昧です。 文部大臣は、高名な作詞家に依頼しました。 忙しい作詞家は、弟子に丸投げ。 その弟子が、盗作して師匠に渡したのです。 ほとんど人の目に触れることはない、地方都市の佳作作品。 盗作しても、バレることはない、と判断したのでしょう。 このエピソードに関連して、裏マチ詩人、という存在があることを知りました。 レコードのB面専門の無名作詞家のことです。 名義は高名作詞家で、裏マチ詩人は、いくらかの小遣いをもらう、というシステム。 代作、ゴーストライターでしょうか。 若いとき、五木寛之は、歌謡曲の作詞をしていました。 業界に詳しい人ですから、事実でしょう。 五輪エンブレムのデザイナーに起こった盗作問題。 トレースかコピーか、によって、盗作の是非が違うようです。 いずれにせよ、世間の耳目を集めているこの問題。 実は小説の世界でも、よくあることなのです。 後日、機会があったら、取り上げてみますね。 今回の主旨。 盗作は、どの業界でも、日常茶飯事に行われている、ということです。
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最終更新日
2015年08月18日 09時11分23秒
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