カテゴリ:読書
有名らしいデザイナーの盗用事件。 一向に収まる気配がありません。 以前、作家の盗作も日常茶飯事と書いたことがあります。 その中から、特に世間を騒がせた例を。 骨太な社会派小説で人気を博した故山崎豊子女史。 作品の多くが映画化、ドラマ化されています。 現実の事件を題材にしていますが、 現実以上に、波乱に富んだストーリーが読者を引きつけたのでしょう。 事件と人間ドラマ。 力技、手腕が必要な作業です。 同時に、綿密な取材も。 この人は、毎日新聞に勤めていました。 学芸部員だったようです。 作家として独立してからも、毎日との関係は続きました。 取材は毎日の記者が担当していたのです。 ここにひとつの陥穽がありましたね。 執筆と取材の分担制。 盗作騒動は、その狭間で起こったようです。 山崎女史の場合は、与えられた資料をそのまま作品に使う。 あるいは、有名作品からそっくり盗用する。 けっこう、悪質でしたね。 一時は、文芸家協会を脱退したこともあります。 時の会長、丹羽文雄先生は、これで作家生命は終わった、と言いました。 引用された作家と、山崎豊子が、直接対峙したこともあります。 法廷で対決したわけです。 非常に珍しい事例ですね。 ある意味、山崎女史は悪びれない人だったのかもしれません。 丹羽文雄会長の予想に反して、この人は復活しました。 不死身の作家、と言えます。 売れっ子、人気作家ですから、救いの手を伸ばした人がいたのでしょう。 都合3回の盗作事件を乗り越えて、最後まで作品を書き続けました。 モラルより、商売が優先するのは、どの世界でも共通の現象です。 こういう例は、山崎さんだけではありません。 大藪春彦も、その一人でした。 次回はその話を。
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最終更新日
2015年08月27日 08時51分04秒
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