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不良中年・天国と地獄

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2015年09月08日
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カテゴリ:ニュース
文壇では通説だった太宰治の芥川賞懇願の手紙。
今回、実物が見つかりました。
あて先は、もちろん師匠の佐藤春夫です。

昭和10年、菊池寛によって創設された芥川賞と直木賞。
新人作家に与えられる文学賞です。

なんの実績もないのに、これが大きな反響を呼びました。
文壇の大御所と言われた菊池寛が作ったものですから、受賞すれば作家として自立できる、と見られたのは当然でしょう。

昭和10年ころは、文壇の垣というものがありました。
新人が垣の内側に入るには、狭き門を通らなければなりません。
その方法は、
1、先輩作家に師事し、認められる。
2、文芸誌の編集長に認められ、原稿の依頼を受ける。
3、懸賞小説に応募し、当選する。
まあ、こんなものでしょうか。
そして、いい作品を書き続けることが必須、なのは言うまでもありません。

大御所、菊池寛に認められれば、文芸春秋という雑誌もあり、デビューは磐石です。
太宰治に限らず、新人作家たちには垂涎の賞でした。

太宰はその心情を隠そうとしませんでした。
私生活が行き詰まっていたので、必死だったのでしょう。
薬物中毒にかかっていたのも、この頃でしょうか。
経済的に困窮していた時期でした。
賞金の500円も欲しかったはずです。

受賞叶わずとなって、落胆も大きかったようです。
川端康成に「作者の生活に目下いやな雲ありて」と言われると、猛然と反駁しています。

2回目の芥川賞でも、懇願の手紙を送っています。
しかし、受賞はなりませんでした。

ちなみに第1回の芥川賞は、石川達三「蒼氓」でした。
私も昔、読みましたね。
ブラジル移民の話で、社会性のある骨太な作品でした。

2回目は該当作なし。
3回目以降は、たぶん太宰は候補にも挙がらなかったのではないでしょうか。

芥川賞とは縁がなかった太宰治。
その悔しさがバネになって、太宰は作家として成長した、というのが通説です。

今年、芸人の又吉直樹が受賞して、社会的関心を呼んだ芥川賞。
その又吉は太宰のファンだった、というので、太宰治にもスポットが当たりました。
不思議な因縁です。

芥川賞とは縁がなかったもう一人の作家は三島由紀夫。
太宰と三島の関係について、機会があったら書いてみます。





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最終更新日  2015年09月08日 13時49分38秒
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