就労までに身につけて欲しいこと
早いもので、ゆずきもあと半年ほどで中学生です。中学卒業後、入れる高校があるかという問題はちょっと脇に押しやって、その先就労する時のことを考えた時に、それまでにどんな力をつけて欲しいか、つらつらと書いてみようと思います。おにい(長男)は中学卒業間近まで親も、おそらく学校の先生も知的障害を伴わない自閉症と言うものを知らないまま接していて、それでも本人が自分なりに対応して今はなんとか就労しています。もちろんSTだとかOTだとかSSTだとか、世に言う療育とか言うものを一切受けていない長男です。当時、そういったものの存在すら知りませんでした。だからと言うわけでもないのですが、ゆずき(二男)も幼児期に通った療育施設と幼稚園と小学校の通級指導教室以外は、何もしていません。そんな子育てをして来た私の感覚のまま書くことなので、今時のしっかり勉強なさって丁寧に対応していらっしゃる方々からは、無責任だとお叱りを受けるかも知れませんが、それも覚悟の上で思うまま書いてみようと思います。教科の学習については、高校の入試のこともあるので出来ないよりは出来た方が良いと言うのが本音ですが、学ぶ内容よりも学ぶ姿勢を身につけて欲しいと考えています。学習そのもについては、ある程度の国語力と、数、量、時間等の概念、四則演算が身についていれば(分からないなりにも中学校の学習内容に取り組む中で、そのあたりまでは定着するのではないかと・・・)、あとは学ぶ姿勢が出来ていれば必要に応じて学んで行けると思うのです。就労した時に、必要なことを学びながら仕事をして行くためにコミュニケーションを取れるようになって欲しいと思います。・分からないことは「分かりません。」「もう一回教えて下さい。」と言えること。・提出物の期限を守ること。・提出物が期限に間に合わない時や、作業や活動で先生の指示の通りに出来ない時に、 ほったらかしにしないで、自分から報告して次の指示を受けること。・作業や活動を最後まで指示の内容を頭において注意深く行うこと。 (どういう形で提出するか、どこまでやって終了かなど・・・)4件目に書いたものについては、算数のドリルで計算問題の式を立てて計算までは正しく出来ていても、答えの覧に単位を付けて書くことが出来ていないとか、三択の問題で記号で答えなさいと書いてあるのに答えそのものを書いたりということがわりと頻繁に見られるので、そういう所の注意深さを身に付けることが先々そこに繋がって行くのではないかと思います。たとえば部品を1個ずつ加工する仕事で、加工の作業そのものは正しく出来ていても、出来た物を所定の箱に指示通りに収めるとか、所定の場所に置くとか、そこまで正しく出来ないと仕事をしたと認めてもらえません。たぶん。最後にもうひとつ・・・・少しだけ打たれ強くなること。周囲の人の理解を得て本人に無用なストレスが加わらないような環境を整えられるのが理想なのかも知れませんが、世間は急には変わりませんし、会社は支援施設ではありません。人として常識の範囲で精一杯気を遣って頂いても、どうしても本人にも無理はかかります。特にメンタル面で・・・だからと言って現実問題すぐに休職だとか離職だとか言っていられないので、そこは本人の方でストレスを貯めて抱え込む所の容量を少しだけ大きくすることも必要だと思います。おにい(長男)は今、ここに書いたようなスキルだけで仕事をしているようなものだと思います。ただ、幼い時期に適切な対応が出来ていないことが大きな原因だと思うのですが、自己評価が低く、周囲の人の言葉や態度を必要以上にストレスとして自分の中に貯めこんでしまって、その貯めたものの始末も上手ではないので、そんなところから前に書いたような状況になっています。おにい(長男)とゆずき(二男)は年齢が12才違うので、ゆずきが就労する頃には世間の状況も少しは変わっているものと期待したいものですが、それでもやっぱり本人が強くなるしかないと言うのは現実だと思うのです。