497622 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

オトキチ日記

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2007年05月13日
XML
カテゴリ:小説
笙野頼子の『愛別外猫雑記』をほぼ読了。『徹底抗戦!文士の森』をひろい読みで半分ほど読了。
しかし凄い人だね、この人。
『愛別外猫雑記』は猫好きと猫嫌いの壮絶な戦いの記録で、白猫を飼っている身としては「身につまされながら」読んだが、しかしさて、この膨大な文章は何なのか。
ふつうに言えばエッセイなのだろうが、事実を読者にわかりやすく整理して伝えようなどという気持ちはかけらもなく、時系列も事実説明も渾沌としていて、小説としてみればどえらいパワーなのだが、すべては事実となれば小説というのも躊躇する。
伝わるのはとんでもない書くエネルギーと周りに対する破壊力で、それにはただただ圧倒されるしかない。

『徹底抗戦!文士の森』も同様というか、初出時の誤植を直した部分までひとつひとつ注を入れるほどの細かさにもかかわらず、全体像は靄がかかったように不明確で、伝わるのは作者の怒りのエネルギーのもの凄さだ。

両書に共通して感じるのが「ネット風」ということで、それぞれ文芸誌に発表された文章にもかかわらず、むしろ2chの書き込みのような感がある。それは「カキコする」だのという用語だけの問題ではなくて、まあ、ひとことで言えば「電波文」の香りがするのだ。

飼い猫を隣人に捕獲されて捨てられた人のブログをネットで見たことがあるが、「隣人宅に突撃して私も死んでやる」というテンションで、『愛別外猫雑記』はその人が書いたのかとも思うくらいに実は似ていた。

ところで本職のほうの『三冠小説集』のほうなのだが、こちらがなんとも読みづらいというか、肌が合わないというか、読み進めるのが苦痛で、まだ読めていない。困ったもんだ。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007年05月13日 14時35分37秒
コメント(0) | コメントを書く
[小説] カテゴリの最新記事


PR

フリーページ

バックナンバー

2024年11月
2024年10月
2024年09月
2024年08月
2024年07月
2024年06月
2024年05月
2024年04月
2024年03月
2024年02月

キーワードサーチ

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.
X